大成建設杯淸麗戦無敗組4回戦、伊藤沙恵VS野原未蘭の対局は、183手で先手の
伊藤沙恵が終盤大激戦の末勝ちを収め、5回戦に駒を進めました。

先手伊藤沙恵、後手野原未蘭、相懸かりの出だしに、駒がぶつかる前に陣形の整備に
入ります。お互い玉は一マス左に寄っただけ。先手は金銀4枚が上がり、後手は
銀2枚が3段目に上がって様子伺いをします。

戦端は後手から。先手が角を5九に引き、玉が矢倉に入ろうとするところで、後手は
3一引いている角を支えに7筋の歩を突っかけて歩の交換。押さえようという先手に、
ここはおとなしく角を引き上げます。先手は上がった銀でそのまま6筋の歩を取って
これも押さえれて素直に後退。

後手が棒銀に出てきたので、先手は2枚銀で対抗。角上がりを行いながらしっかり玉は
美濃に入り込みました。先手が上がった角に後手は銀上がりで対抗。ここもおとなしく
角が下がって、後手がやや優勢で進めます。

後手は角が先手玉のこびんを狙い、先手は角を合わせて対抗。さらに飛車も引きつけて
玉回りが固くなるのに対し、後手は守りが金1枚と手薄。しかも攻め駒が誰もいない
ところに向かっている感じでしっかり攻めをはずされたようです。
後手がそれでも歩成りから攻めていこうというのに、先手は銀交換から攻めの態勢を
築き出します。

先手は角道を開いて角交換から全駒が躍動します。と金を作ってとうとう後手玉は
裸状態に。打ち込んだ角が飛車を隅に追いやり、飛車の突入を防ぐために打たれた
後手の角も空振り状態に。先手は角交換からの飛車成りを見せますが、これは
後手はやりたくないところ。飛車との交換で我慢しますが、この段階でほぼ決着は
ついたに等しくなりました。

玉の早逃げを見せる後手野原未蘭ですが、先手伊藤沙恵はそれを許しません。
必死に逃げ出そうとする後手玉ですが、駒を足しての先手の攻めは厳しく、守りに
打った飛車も王手飛車で取られて万事休す。しかしここで諦めないのが波の新人では
ないところ。自玉にまだ詰めろがかけられていないことから、最後の攻めに望みを
かけて先手玉を追いかけます。

伊藤沙恵は思わぬ逆襲に驚いたかも。こちらは入玉に望みを託して逃げ切り勝ちを
目指します。しかし野原未蘭はついに先手玉に詰めろをかけるところまできました。
しかし終盤の粘りは1枚伊藤の方が上。しっかり入玉を果たして後手は先手玉を
追い詰めるまで生きませんでした。なので、今度は自分が入玉狙いに方針転換。
ついに両者点数勝負までいくこととなりました。

こうなると、やはり経験値が最後に物を言い、自玉の安全を確保した先手伊藤沙恵が
ぎりぎりまで後手玉を寄せることだけを狙い、とうとう野原未蘭は玉の守り駒を
すべてはがされての逃亡ならず、おいおとされてしまいました。