1勝1敗のタイで迎えた、倉敷籐花戦3番勝負第2局、里見香奈倉敷籐花 対 岩根忍挑戦者の
決着局は、114手で後手里見香奈が勝ち、対戦成績2勝1敗で女流王将戦に続き、逆転防衛しました。

先手岩根、後手里見で始まった第3局は、第2局と似たような局面で始まり、お互いの飛車角を
前に出してにらみ合う局面。前局に引き続き、後手里見は飛車を左右に振って突破口を
探します。

お互い牽制し合う中で、後手里見は珍しく穴熊を目指し、攻撃目標を後手の飛車に絞った先手岩根は
駒を上げていきますが、端からの攻撃に目標をしぼった後手は1筋の歩の交換の後、2筋に飛車を回し
3八にいる先手玉に直接狙いを定めます。

飛車の突入を阻止したい先手ですが、2枚の銀と桂馬を上げての防御ラインもむなしく、
金桂に加え、1筋の香車交換で手に入れた香車を使ってうまく守りの飛車を釣り上げて、
手薄となった6段目に飛車を回して、再び左右に飛車を動かして突入を避けられない
状態に持って行きます。

先手も飛車を成り込ませ、ただで角を奪い取りますが、これが後手が仕掛けた餌で、
堅陣な穴熊には飛車成りも角取りも攻めるには遅く、その間に前に進めた後手の金が確実に
先手玉に迫ります。

こうなれば終盤力の差はあきらかで、守り駒をすべてはがされた先手玉に受けはなく、
力なく寄せきられました。

岩根にとって、第2局、第3局共に角を使う事が出来ず、逆に飛車角を十分使い切った
倉敷籐花に貫禄勝ちを許した1局となりました。

これで、1月に開幕する女流名人位五番勝負まで、里見香奈は女流三冠を名乗る事が
できるようになりました。


私事ながら、里見香奈にはアマチュア時代から注目しており、彼女がプロデビューして、
まだ1戦もしていない時に開催された女流棋士親睦会で、指導対局の第1号のくじを
引き当てたのが自慢になっています。
その時に撮らせてもらった写真が今でも机の前の壁に貼られています。