僕の地元に吊り橋があって。

過疎化を跳ね返す町おこし的な感じで2015年に完成した。

どのくらい観光客は来て居るんだろう。

僕は良く知らず。

東京の人が東京タワーに皆、昇ってないのと一緒で、国内最長という触れ込みなのに、これまで敬遠していた。

そう言えば、これまた地元の深海をフィーチャーした水族館。

歩いて行ける距離にあるのに、入場料が、下々の我々には高額に感じられて、オープンから長いこと、行かなかったっけ。

まぁ、地元民って、得てしてそんなものだろう。

でも、何年か前に、行く気になって、深海水族館には行った。

そして、シーラカンスの展示にまんまと夢中になった。

その波が、ついに、吊り橋にも来たってこと。

何と言っても、今回の感染症を挽回しようってことか、高校生以下無料、大人も半額だって言うのだもの。

通常であれば、吊り橋渡るだけなのに、大人1100円もするのだ。

いや、建設費や維持費を考えれば妥当なのかも知れないけど、僕的には幼少のみぎりから、吊り橋と言えば、伊豆城ヶ崎の火サス吊り橋。

駐車場料金500円ポッキリってなもんだ。

うーん、大人一人1100円、、、、4人家族で出掛けて3000円弱、、、と考えると、高さ70m、長さ400mの吊り橋に足を踏み入れる以前に、強い二の足を踏んでいた。

でも、それを打ち払う、高校生以下無料、大人半額の措置である。

そして、久々である僕の休みが相乗効果を増して、いよいよ、出陣!

っていう次第に。

結論から言うと、吊り橋は、結構あっという間で、霧もかかっていたし、でも連日の豪雨からすれば、全然、好天だったのだけど、連れて行った小五の息子は、つり橋を渡った後の、大量のフクロウを間近で観察できる“ふろっく”なる鳥や小動物の展示に大いに癒されたようだ。

あまり、

「フクロウの中で、好きなフクロウは??」

って聴かれて、

「メンフクロウ」

って即答できる人も居ないだろう。

いや、いるのか。

フクロウ好きなら。

日頃から、ほとんど、自分の子どもに構わず、土日もなく仕事ばかりしている僕は、小五の息子が、動物好きなのは、大河の僕を押しのけて『志村とうぶつ園』を見る戦を仕掛けてくる命知らずな面からも、分かってはいたものの、こんなにフクロウが好きだとは。

ちなみに、吊り橋の入場料は無料・半額だったものの、このフクロウ展示は、大人も小学生も一人1100円と高額だったのだが、制限時間無く、居るだけ居て良い、、、という料金設定だったので、小五の息子は、自分がフクロウなのか人間なのか分からなくなる程、真っ白なメンフクロウと見つめ合い、さらには、ハリネズミやハムスターなどの小動物を小さな両手に載せて堪能し、さんざん癒されたようである。

混んできた昼過ぎには吊り橋をあとにして帰宅。

ミスタードーナツを買って帰る。

中三娘もいい加減、起きる頃だろう。

玄関のドアを開ける時、

「あーーー、楽しかった」

と言う息子。

なるほど。

これか。

これが幸せか。


彼はメンフクロウと。

僕は幸せと向き合った日曜日。

たまには、こんな日もね。