なんだかいきなり寒くなりましたね~
自分の部屋が…寒い…。夏涼しかったから覚悟してたけど
冬は結構冷えそうだな。
さて、現在本が読みたい病の私。
暇さえあれば何か本を読んでいたい!という心境ですが、
だからと言って新刊は沢山買えないので、昔読んだ本を
再読している始末。
最近読んだ本、こちらは新刊です。
『木暮荘物語』 三浦しをん
小田急線・世田谷代田駅から徒歩五分、築ウン十年。
ぼろアパートを舞台に贈る〝愛〟と〝つながり〟の物語。
小田急線の急行通過駅・世田谷代田から徒歩五分、築ウン
十年、全6室のぼろアパート木暮荘。そこでは老大家木暮と
女子大生の光子、サラリーマンの神崎に花屋の店員繭の4人が
平穏な日々を送っていた。
だが、一旦愛を求めた時、それぞれが抱える懊悩が痛烈な
悲しみとなって滲み出す。それを和らげ癒すのは、
安普請ゆえに繋がりはじめる隣人たちのぬくもりだった…。
…というあらすじですが、三浦しをんさんの作品だということ
以外に強烈に私がこれを読みたくなった理由があります。
それは小田急線・世田谷代田が舞台だというところ!
小田急線に縁のある方なら読みたくなるに違いない!
世田谷代田ではありませんが、私も小田急線沿線に6年間
住んでいました。
引っ越してなお、思い出深い場所です。
物語は7編で構成されていて、それぞれに主人公が異なります。
短編集とも言えますが色んなところで色んな人物が繋がって
おり、最後まで読んで繋がる部分もあるので、やっぱり1冊で
ひとつの物語かな。
20代初めから70代まで、様々な年代や性別での問題や苦悩が
しをんさんお得意のユーモアを交えつつも真剣に描かれていて、
面白くも色々と考えさせられました。
人はいくつになっても悩み続けなければならないのですね。
この文庫本の巻末に角田光代さんの書評が載っていて、その中の
文章にこの物語の核心をつく部分があります。
(抜粋)
このアパートの住人とその周辺の人たちは、固定概念を
ゆっくりと壊しにかかってくるのだ。
性交を介さない恋愛は恋愛ではないのか。
好きという気持ちは恋愛に分類しなければならないのか。
母親とは、子を産み育てる人のことだけを指すのか。
小説は大仰な言葉をいっさい使わずに、ふと大きな疑問を
投げかけてくる。
ユーモア交えつつのご近所物語かと思いきや、想像よりも
ずっと、考え悩む余地を与えてくれるお話でした。
10代や20代の若い頃の悩みは、いま思えば大きな問題では
ないこともあるけれど、それをいまの自分の気持ちや尺度で
同じ様にはかることは出来ないですよね。
小田急線沿線に住んでいた頃、同じく沿線に住み、下北沢で
働いていた親友と、お互い帰り道の世田谷代田方面に向かって、
一緒に夜道をよく歩きました。
とめどもなく、お互いの悩みを話し合って。
嬉しいことも悲しいことも分かち合いながら歩いたその夜道
のことを、今でもよく思い出します。
辛いことも、そうやって話していると夜の空気に浄化されて
いくようで、親友と別れて電車に乗る頃にはいつも気持ちが
すっきりしていたような気がします。
そういう、日常の何気ないやりとりが、10年以上経った今も
忘れられないし、これからも忘れたくないことです。
小田急線も様相が変わってきていて、私が住んでいた駅も
引っ越したばかりの頃は、高架駅ではなく地上駅だったし、
下北沢の駅も言い方は悪いけど古く汚い駅でした。
親しんだ景色が変わっていくのは寂しいけど、自分の中の
思い出までが変わってしまう訳ではありません。
このお話を読んで無性に、下北沢からの夜道をまた彼女と
歩きたいと思いました。
