6ヶ月と20日目。



前にも言ったかもだけれど

私は、ベビーフードのみで離乳食を乗り切るつもりだった。

企業が、赤ちゃんのために、安心安全に作ったもの。

世のお母様方の厳しい目を通ってきたベビーフード。

私なんかが作るものよりずっと良い。


絶対の信頼をおいて

全面的に頼るつもりだった。



それが少し変わったきっかけは

私が愛用し、子だぬきに食べさせている

キューピーさまの離乳食シリーズ。
(大変お世話になっているので「様」を外せない。)


その、商品名を見ていたときに

「素材」という分類に気付いた。



…素材…?



もしや…これを使って更に何かを作る前提で…

これをそのまま食べさせるわけではない…??


ブワッと

恥ずかしさと

子だぬきに対する申し訳なさが破裂した。



色々調べてみて、結果的に、これ単品で食べさせても間違いではなさそうだったんだけど

(アレルギー確認のためにまずは単品で食べさせてみる必要もあるし。)

そこから、他の会社のベビーフードを調べたりして

色々やってみたい欲が出てきた。



最近は小さじ4くらいは食べられるようになったし

多少粒のあるくらいは食べられる月齢になってきたし…

おかゆくらいは作ってみても良いかも知れない。







お恥ずかしながら、私はメシマズ女である。


ザ・B型な私。

適当な癖にアレンジに走り

まぁまぁ高確率で失敗する。


子だぬきに変なものは食べさせられない。

安心安全のBF様々だったけれど…

そろそろ…自分が作ったものを食べてもらいたくなった。



私が失敗する原因としては

1.作り方を見ない。
 →雰囲気で作る。先入観が強い。

2.目分量にする。慣れてない癖に。
 →大さじ小さじ…洗うの面倒。
  大体こんなもんだろ、なんて。

3.アレンジする。
 →あ、これも入れちゃえ。




レシピ通り、キチンとやる。

それだけで成功率はグッと上がる。


アレンジ云々はその先だ。



子だぬきのため。

気合を入れて…


いざ、お粥作り。



初歩の初歩過ぎて恥ずかしいが

まずは第一歩。




量は少しで良い。

夜ご飯の残りのご飯をラップで包み

グラムをキッチリ計る。


少し手でラップ越しに潰したのち

耐熱ボウルに入れ

書かれた通りの比率の水を入れ…

600wで5分…


ピ…




その間に洗い物をしつつ

チラチラとレンジを監視。




何度目かのチラ見で気付く。



見事な吹きこぼれ。



何故。どうして。



焦って止めたので

被害は最小限。



でもまだレシピ通りの時間になってない。


軽くかき混ぜてから

少しずつレンジにかける。


既にレシピ通りでないが

いや、吹きこぼれてますからね。

(後に耐熱ボウルは大きい方が良かったと知る)



なんとか誤魔化し誤魔化し

レシピ通りの時間を経過。

何分か蒸らしたが…


米が硬い。


お粥というか

水浸しのご飯。




なんてこった。

私ってやつは

お粥すら満足に作れないらしい。





ええい、レンジでチン作戦はダメだ。

鍋でやるぞ鍋で。



小鍋を取り出して

中身を入れ替え

更に水を追加。


頑張れ自分。




グツグツ。



鍋を見つめながら

初めて作ったお粥のことを思い出していた。



小学生の頃。

母が体調を崩して寝ていたので

お粥を作ってあげよう!

と、ご飯と水を適当に鍋に入れ

ニコニコニコニコ。

喜ぶ母を思い浮かべながら

愛情を1ミリもこぼさぬよう、かき混ぜた。

かき混ぜ続けた。




当時、私はお粥をよく知らなかった。

風邪をひいた時に母がよく作ってくれたのは

すりおろしたりんごと、うどんだったから。


出来上がったものに

ほんの少し違和感を感じたけれど

きっとこれが正解なのだと思い

お茶碗につぎ、

梅干しを添えて

お盆に綺麗に並べて

母が休んでいるベッドに運んだ。








母「これは糊だよ…」









思えば私のメシマズは

この時点で既にチラ見えしていた。


ちゃんと作り方を聞けば良かったのに。



以降、お粥は作っていない。

私自身、好きじゃないということもあるけれど。




そういうわけで、

人生2度目のお粥は

愛する愛する愛娘の為のお粥になった。



愛情は溢れんばかりに注ぐが

必要以上にはかき混ぜず。



しばらく煮たら

正しそうなお粥が出来上がった。



アク取り用に買った網で
(ほとんど使ってないやつ)

チマチマと濾して、潰して、

水分調整して



なんとか、それっぽいのが出来た。

よかった。

製氷皿の10ブロック分程度作るのに

1時間半かかってしまった。


母、頑張った。


製氷皿の蓋に、付箋を付ける。



「母 がんばったおかゆ」