じんけいの修理日記 -3ページ目

じんけいの修理日記

趣味とボケ防止を兼ねて古いラジオの修理を楽しんでおります。https://jinkei.sakura.ne.jp/

先日の続きです。

バリバリというノイズは出なくなったので、これで直ったと思っていたのですが、少し通電していると音声が小さくなってきました。音声レベルも変動しているようです(たまに元に戻るときもある)。

 

なので、再度シャーシを筐体から取り出して波形を観測。どこでレベル変動が起きているのか調べました。

昨日クリーニングしたAM/FM_IFTが吸湿により、また絶縁度が低下したのかと思いましたが、その部分は問題ないようでした。

 

今回の原因は3段目のAMのIFTの二次側で発生していました。②の部分です。

 

 

 

このIFTは455KHzにチューニングされているのですが、コイルとパラに入っているコンデンサの容量が変動し、同調周波数がズレるために、2次側の出力振幅が変動、検波出力も変動していたのです。

 

 

仕方がないのでこのIFTも取り外すことになりました。

 

 

 

 

 

 

中身を取り出しました。

 

 

 

 

 

このIFTは先日取り外したAM/FM_IFTとは異なり、1次側と2次側を小容量でカップリングするコンデンサはないのでマイカ板の電極もシンプルになっています。

 

 

 

ただ、やっぱり電極間の距離が近いので湿度による絶縁度低下が心配なためマイカ板の電極の上に薄い絶縁フィルムを入れてコンデンサの容量が無視できるようにし、コンデンサは外付けで対応するようにしました。

 

 

こんな感じです。外付け容量は何種類か試した結果、120pFが良かったです。

 

 

 

 

 

 

これで数時間通電していも問題なく動作していたので、また、シャーシを組み込み、さらに通電、動作確認をすること数時間。

 

 

特に問題出ず。ということでいったん電源OFFです。これで直ったのか。

 

 

 

 

ところが、翌日(本日)朝起きて電源を入れてみると、また、小さなノイズが出ていることが判明。

くっそー、直ってへんやんけ、ちゅーことで再度シャーシを取り出し、ノイズの発生箇所を特定することに。

 

 

 

今度はどこからノイズが出てたかというと、初段の455KHz IFT の2次側から出ていました。③の部分です。

次から次へと問題がでますわ。

 

 

 

おそらく最初から出ていたのかもしれませんが、他のノイズの方が大きかったため、目立っていなかっただけかもしれません。

 

 

 

このIFTも取り外す羽目になりました。からげ半田は取り外しに苦労します。

このIFT-AもIFT-Cと同様、内蔵されていたコンデンサは機能しないように電極の間に絶縁フィルムをいれ、外部に120pFのコンデンサを追加しました。

回路図で示すとこんな感じです。

 

 

 

 

 

これでノイズは出なくなったようです。どうもマイカ板の両面に銀の塗料を塗って形成する容量は経年劣化を起こしやすいようですね。アメリカ製のラジオでノイズが出たり感度が悪くなったりする原因にIFT内に仕組まれたコンデンサの劣化があることが多いです。

 

 

ところが、今までほとんど気にならなかったFMにノイズが出ることがわかりました。

 

 

 

え~っ、どーなってんねん。次から次へと問題が出てくるがな。

 

 

これも、どこが発生源かを調べまくった結果、初段のFMのIFTの出力振幅が変動していることがわかりました。FMは後段でリミッターをかけるため振幅の変動に対しては割と強いのですが、やはり聞いていると気になるので対策します。

 

 

回路図で示すとこの部分(④の部分)です。

 

 

 

 

FM IFT-Aを取り外しました。周波数が高いのでコイルの巻き数も少ないです。

 

 

 

 

マイカ板上に形成されているコンデンサも小さな容量でよいので面積は小さいです。ただ、塗布されている電極の一部が剥離しています。

 

この部分にも絶縁シートを入れ、コンデンサは外付けにしました。容量は20pFが最適でした。

 

 

 

 

このあとAVCラインやデカップリングに使われていたペーパーコンをフィルムコンに置き換えました。

絶縁度が低下していましたが日本製の同時代のペーパーコンと比べると絶縁度は高かったです。優秀ですね。

 

 

これで数時間通電し、問題ないようなのでシャーシを筐体に入れました。

 

最終的に、4個のIFTを外して手直し、数個のペーパーコンデンサを交換、1個のソリッド抵抗を交換でなんとかなりました。

 

 

 

明日、再度動作確認し、問題ないようであれば本機の修理は完了とします。

1987年に34,800円で発売されたソニーの小型マルチバンドラジオです。

ご指摘症状は

「長年船で愛用していたラジオですが、今年の6月初に突然チューニングが出来なくなり、以後受信できないままとなっております。 裏ブタを開けた時に、テレスコピックアンテナの配線が外れてしまっています」というものです。

 

動作確認をしてみたところ、確かにうまくチューニングが行えません。つまみを回しても反応しなかったり、周波数が上がる方向に回しても周波数が下がったりします。これでは満足に選局できません。ただし、選んだ局をプリセットしておけば、呼び出すことは可能です。時計やタイマーセットに関しても同様に合わせにくいです。

 

 

 

 

 

 

背面を見たところです。単三乾電池4本で動作する仕様です。

 

 

 

 

 

シリアル番号を見るとなんと34です。ファーストロットのラジオですね。最高桁の「1」はダミーでしょう。

 

 

 

 

裏蓋を外して内部を見たところです。

 

 

 

 

 

 

上の写真ではわかりづらいのでメイン基板の部分を拡大してみると、、、

裏付けされている部品や配線が多いです。また、基板の部品番号の末尾が「-11」となっており、初版の基板であることがわかります。

この基板のAGC回路はトランジスタ数石を用いたディスクリート回路ですが、シリアル番号が7902以降のラジオはICを用いた回路に変更されています(そのため、基板も改版され末尾が-12かそれ以上になっている)。

 

 

 

 

筐体からシャーシを取り出し、正面から見たところです。

 

 

 

 

信号基板を取り外しました。

 

 

上の写真を見るとケミコンが変則マウントされていたりしますが、チップケミコンは使用されておらず、いま載っているケミコンからも液漏れはしていません。サービスマニュアルによるとチップケミコンが使用されたのはシリアル番号62627以降のようです。

 

 

というわけで、本機の不具合はケミコンから漏れ出た電解液が原因ではなく、ほかに原因があることになります。そこで、チューニングつまみを回した時のロータリーエンコーダー出力波形を見てみることにしました。

ローターリーエンコーダーからは3本の端子が出ており、一本は電源、残る2本はつまみの回転により位相が異なったパルスを出力します。

回路図で示すと下記になります。

 

 

 

 

 

 

ロータリーエンコーダーを引き出しパルス波形を見てみます。

 

 

 

 

 

ツマミを回すとこんな波形が観測できました。

 

 

 

 

本来、エンコーダーからのパルスはハイレベルは電源電圧の3Vまで、ローレベルは0V近くにまで下がる必要があるのですが、上の波形を見ると黄色の信号は0Vと3Vの値を交互にとっていますが、水色の信号は中途半端な位置までしか下がっていません。これではつまみの回転数や回転方向がうまく検出できません。

 

 

 

そこで、手持ちの7600DAから取り外したロータリーエンコーダーと交換してみることにしました。

 

 

 

 

エンコーダーを交換し、つまみを回してパルスの波形を見てみました。

 

 

 

 

先ほどの波形と比べてみると、水色の波形がより0V近くまで下がっていることがわかります。また、実際のチューニング動作も正しくアップ・ダウンするようになりました。

 

 

下の写真は本機から取り外したロータリーエンコーダーです。アルプス製でした。ラジオと一緒に同梱しておきますので興味がおありでしたら見てみてください。

 

 

 

これで本機の修理は完了です。

 

 

 

 

ゼニスのアラームクロック付き2バンド(中波・FM)管球式ラジオです。

前面に「1」のシールが貼付されています。

 

ご指摘の症状は

「久しぶりの動作確認で、AM/ FM共、十分な音量で、良い音で鳴りましたが、3分ほどで雑音と共に、音量が小さくなり、何度か繰り返すも同じ様な状態です」というものです。

 

 

 

後ろから見たところです。

 

時計の時刻設定、タイマー設定のつまみが付いており、そのまま回すとタイマー時刻設定が、引っ張りながら回すと時刻設定ができます。時計は60サイクルの電源周波数に同期して回転するため、50サイクルの関東では1時間当たり10分遅れることになります。時計はテレクロン(Telechron)製で当時の時計付きラジオやタイマーにはGE製と並んで良く使われていました。東芝(マツダ)のタイマー(セレクトスイッチ)にも使われていましたが、おそらくGE製かそのコピーでしょう。

 

 

 

通電確認をしてみたところ、確かに最初は少し受信しますが、そのうち放送はきこえなくなり、バリバリというノイズが大きく出るようになりました。ノイズはボリュームを下げると小さくなるので、ボリューム以前のところで発生しているようです。

 

 

 

裏蓋を外して内部を見たところです。

 

 

 

 

電源はシャーシ背面に付いている4ピンのコネクタ経由で本体に供給されるため、このように裏蓋を外してしまうと電源が供給されず、動作確認ができません。厄介なセットです。

 

 

 

尚、本機はトランスレスのラジオで1次側ラインの片方はシャーシにじかに接続されているため、コンセントを挿した状態だと二分の一の確率で感電する危険性があり要注意です。

 

 

 

ということで、シャーシを筐体から引っぱり出しました。

下の写真はシャーシを前方上方から見たところです。

 

 

 

 

 

バリコンはトラッキングレス2連(親子)バリコンが使われていますが、これはAM専用です。

では、FMはどのようにして選局しているのでしょうか。

 

 

 

 

FMはミュー同調になっていました。

FMの同調回路と局発回路のコイルに挿入されているフェライト棒がバリコンの回転角に応じて上下に動き、共振周波数を変化させているのでした。

 

 

 

 

 

 

本機はシャーシの底部も板金でがっちりと覆われていました。

 

 

 

 

 

 

この板金を外し、内部を見たところです。

 

 

 

 

 

通電し、各部の電圧を手短に測定したところ、セレン整流器が劣化しており、整流後の電圧が80V程度になっていましたが、それ以外はそれほど問題になるような電圧ではありませんでした。セレンにパラに整流ダイオードを追加し、まともな電圧に回復しました。

 

 

 

通電した状態で症状を観察していると、2段目のIFT(AM/FM IFT-B)の二次側出力にノイズを含んだDC電圧が約2Vほど出ているのが確認できました。本来、ここにはDC成分は出てこないはずなのですが。

 

 

 

 

下の回路図は本機とほぼ同じシャーシを使っている機種の回路図です。

 

 

 

 

どうも1次側(90V前後の電圧がかかっている)から2次側に電圧がリークしているようです。

厄介ですね。

 

 

 

 

先ずはAM/FM_IFT-Bを取り外してみます。

これを取り外すのは一苦労です。各部品の足が端子にからげ半田されており、なかなか外せないのです。

 

 

 

下の写真がとりはずしたIFTです。

 

 

 

 

内部を取り出したところです。

日本製のIFTは同調をとるためにコイルとパラに100pF~120pFのチタコンが付いているのですが、このIFTには同調をとるためのコンデンサが見当たりません。また、回路図上にある1次側と2次側をカップリングするための小容量のコンデンサも見当たりません。どこに付いているのでしょうか。

 

 

 

 

 

実は、円形のマイカ板(雲母の薄い板)の両面に塗付した(銀?の塗料を塗った)電極でコンデンサを形成しているのです。

 

 

どうも絶縁度が低下しているようなのでマイカ板を無水アルコールでクリーニングし、再度組み込みました。

 

 

この結果、2次側のDC電圧はほぼ0Vになり、大きなノイズ音は出なくなりました。

 

よしよし、というわけでシャーシをケースに組み込み動作確認です。

 

 

最初の数十分は問題なくなっていましたが、なんだか音量が少し下がってきたような気がします。小さなノイズも気になりだしました。FMは問題なさそうなので、まだAMの高周波、IF回路あたりに問題がありそうです。

 

 

今日は時間切れでここまで。

 

 

6~7年前に骨董市で購入した電池管ポータブル。全く鳴らないとのご指摘です。

マツダのコンパニオンBです。「B」があるということはコンパニオンAもあったのでしょう。Aがどんな格好してたのか見てみたいですね。

 

 

 

型名は4PC-75型とあります。

 

 

 

 

 

箱から取り出したところ、かわいいデザインです。「11」のシールが貼付されています。

 

 

 

 

 

選局や音量はフロント面の上半分を開いて調節します。これなら持ち運んでいる途中にチューニングがズレたり音量が変化したりする心配はないですね。

 

 

 

 

 

裏蓋を外して内部を見ているところです。

 

 

 

裏蓋の内側に貼付されているスペックシートです。

本機の特徴はSF管を使用している点でしょう。SF管は通常の(-SF無しの)球と比べ、フィラメント電流が半部で動作するようになっています。例えば1R5のフィラメント電流は50mAですが1R5-SFは25mA(電圧はどちらも1.4V時)です。そのため、先日来修理しているPR-350, 355などはA電池に単一乾電池を使用していましたが本機は単二乾電池でもそれなりの時間動作するので小型化が図れたということでしょう。

 

 

 

 

A電源、B電源を接続して動作させてみましたが、全く電流が流れません。全く電流が流れないということは電源スイッチの不良とか、すべての電池管のフィラメントが切れてしまっているなどが考えられます。

とにかくシャーシを取り出してチェックです。

 

取り出したシャーシのフロント面です。右上に見えているのはボリュームに取り付けられたつまみです。なお、本機はボリュームつまみで電源のON/OFFも行っていますが、ボリューム自体にはスイッチは付いていません。

 

 

 

シャーシを背面上方から見ると、内部配線が見えます。

 

 

 

 

底部から見たところです。4本付いている球の内の一本のあたまが白くなっているのが気になります。

 

 

 

 

 

取り外してみたところ、出力管3S4-SFでした。

 

他の真空管のあたまは黒く(銀色に)輝いているのですがこの球の頭だけは薄く、なおかつ白くなっています。ワシの頭とおんなじやがな。もう使えへんかもしれんな。

 

実際、フィラメントは切れていなかったですが、他のラジオに装填しても機能しませんでした。ぼけてもたんやな。

 

 

他の球は問題なかったので電源が入らない原因は電源スイッチの可能性が高い。ということで、電源スイッチ周りをチェックです。

 

 

 

本機はできるだけ小さくまとめるためにスイッチ付きのボリュームは使用せず、独自のスイッチ機構を採用していました。

 

 

ボリュームつまみがOFFの位置ではつまみに設けたボスが接点Cのレバーを持ち上げ、接点AとBが接点Cから離れます。そうするとA電池とB電池のアース側がシャーシと切り離される構造です。

今回電源が入らなかった原因はこのC接点のばね力が弱っていてAとB接点に接触していなかったためです。これを手直しした結果、電源が入るようになりました。が、まだスピーカから音が全く出ません。

 

スピーカをチェックしたところ問題なし、出力管はSF管ではないが動作品を装填してある。

 

ちゅーことは、原因は出力トランスの1次側断線やな。これは一番厄介な不具合です。

 

 

 

空きスペースが十分あるラジオであれば適当なトランスを見つけて載せ替えられるのだけれど本機のような狭いスペースに載せ替えられる出力トランスはそう簡単には入手できません。

 

 

仕方がないのでコイルを巻きなおすことにしました。

取り外したトランスです。基板の上に載っています。一次側のコードの被覆は劣化してボロボロになっており、はがれてしまいました。

 

 

 

 

 

コアを抜き取りました。

 

コアは斜めにカットしたE型コアを2枚ずつ方向を逆にしながら組み立ててありました。ある程度パワーを扱うシングルの出力トランスは磁気飽和を避けるためにコアの一部にギャップを設けますが、電池管では重畳されるDC電流も知れているためギャップはなくてもほとんど影響しないということなのでしょう。

 

 

 

巻かれていたエナメル線をほどいてゆきます。一次側巻き線は途中で何か所も切れていました。

 

切れていた部分には緑青が発生していました。

 

別の断線個所の写真です。

 

 

 

 

やっとほどき終わりました。一層ごとにパラフィンのついた薄い紙が入っており、すべてほどき終わるごろには机の上が紙クズだらけになりました。

 

 

 

ほどき終わったエナメル線と巻き枠です。巻き枠は再利用します。

 

 

 

 

ここからが結構しんどい。

アバウトに巻き数を数えながらなんとか巻き終えました。1次側8Kとすると、2次側は3~6Ωといったところです。

 

 

 

 

コアは方向をそろえ、間におまじないの紙を一枚入れてトランスを組み上げました。

 

 

 

こんな感じで基板に取りつきました。

 

 

 

ケミコンが劣化していたので交換します。

 

 

 

 

 

トランスを取り付け、無事音が出るようになりました。本機にはペーパコンデンサの代わりにオイルコンデンサ(PCB入りか)が使われており絶縁度は高くキープされていて問題なさそうだったのでそのままとしました。

 

 

 

今回取り外した部品です。

 

 

 

 

現在、3S4-SFの代わりに普通の3S4が載っていますが動作します。もしSF管が入手できれば交換することにより単二電池の持ちが少しは良くなります。

 

これで修理完了。コンパニオンAも見てみたいものだ。

受信はしているが音が極端に小さいという4球電池管ポータブルです。

「10」のシールが貼付されています。

 

 

 

内部の様子です。

 

 

 

裏蓋の内側に貼られている回路図を含むスペックシートです。

 

 

上記シートの最下段に記載されている文章が受けますね。

一応内容はチェックしたのでしょうが、

・Tubesの「s」とLicenseの「s」のフォントが異なって

 います。おそらく真空管を4本(複数)使用しているため、

 あとからsを追加したのでしょう。

・cercuitのuが180度回転しています(nになっている)。

 また、iのフォントが変だし、そのあとのtは手書き

 なのかもです。

・R C Aは高さや文字間隔が揃っていません。

慣れない日本の印刷工が修正したのでしょうか。

 

尚、このHARPERS GK-301は先日修理したクラウンのPR-530の派生モデルです。

クラウンPR-530の裏蓋内部に貼付されているシートは下の写真に示す如く、回路や回路定数はほぼ同じです。GK-301はB電池は67.5Vだけになっていますが45Vでも何とか受信できています。

 

 

音が小さい原因を見つけるため、シャーシを本体から取り出しました。

 

 

 

 

正面から見たところです。

 

 

 

 

 

本機を修理していて気になった点がありました。A電池(1.5V単一乾電池を使う)のホルダーです。ハトメを用いて厚紙を固定しているのですが、そのハトメの端が少しめくれあがっていて装填した電池のスリーブを破り、電池がショートするのです。

 

 

 

昔の乾電池や今でも売られているマンガン乾電池であれば問題ないのですが、被服が薄くて破れやすいアルカリ乾電池は単一に限らず、注意が必要です。

 

 

 

 

 

 

通電し、音が小さい原因を調べているところです。

 

 

 

原因はペーパーコンデンサの絶縁度低下でした。本機にはペーパーモールドと呼ばれていた、ペーパーコンデンサを樹脂でモールドしたコンデンサが多数使われていますがその大半が絶縁度低下を起こしています。使う場所によってはこれが大きな問題になるのです。

 

 

 

電池管ポータブル機は小さくまとめるために空いているスペースを巧みに利用して部品を立体的に詰め込んでおり、下の方に配置されている部品は外すのが非常に困難です。なので、取り外せないコンデンサはリードを切り離して、別のコンデンサを追加しました。

 

 

 

とりはずせたペーパーモールドコンデンサです。

 

 

 

 

今回交換したコンデンサは下の回路図の赤色で着色しました。

 

 

これで本機の修理は完了です。