CF-5950(2台目) | じんけいの修理日記

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趣味とボケ防止を兼ねて古いラジオの修理を楽しんでおります。https://jinkei.sakura.ne.jp/

昨日の続きです。

2台目のCF-5950です。

 

ご指摘・ご依頼項目は

1.SW1-3はメモリはほとんと合っている。
2.MWはズレている。
3.FMは1台目と同じような感じ。
4.カセットのゴムベルト交換とラジオ部の再調整。

5.ライトのLEDへの交換とFMの受信上限を91.2MHzまで拡大

といったところです。

 

確認してみたところ、

1.SW目盛はほとんど合っていました。ただし、スプレッド

  ダイアルを+方向へ回すと感度が急激に落ち(20dB以上

  低下)ており、実用的ではありません。

2.MWのズレを確認

3.FMは音が歪んでおり、AFCをONにするとさらにズレる。

4.カセットの動作は正常(おそらくゴムベルトが交換されて

  いる)だが、再生時の巻取りリールのトルクが弱く、

  古いカセットテープ(負荷が重いテープ)の場合は

  巻き取れない恐れがある。また、再生時のテープ速度が

  かなり遅い(-6%前後)。

5.本機のFMは91.6MHzあたりまで受信できています(歪んで

  いますが)。

といったところです。

 

 

 

シリアル番号は14257です。

 

 

 

 

下の写真はリアカバーを外して内部を見たところです。

 

 

 

 

ゴムベルトは交換されていたようですが、再生速度が約6%遅く、私でも少し気になるレベルです。

 

モータープーリーの刻印を見てみると「P」の文字が確認できました。

 

ということは、もともとは正規のベルトだと少し速くなるので径の小さなプーリーが使われていたようです。

 

 

そこで、1台目と同じように太めのベルトを使ってみることにしました。現在使用されているベルトはおそらく1.2mmの角ベルト。そこで1.6mmに変更したところ、ほぼ0%の誤差で走行するようになりました。めでたしめでたし。

角ベルトは古くなってくるとV溝の内側(谷側)へ落ちて行くので走行速度が落ちて行くのではないかと勝手に想像しています。その点平ベルトは影響を受けにくいかもですね(未確認情報です)。

 

 

再生時の巻取りリールのトルクが弱い原因はリール周囲のゴム表面が劣化しているためです。このため、グリップ力が弱まり、滑りやすくなっています。

 

 

 

 

下の写真は取り外したゴムリングです。

 

このリング、意外と太いです。角ベルトを使うとすれば2.5mm前後の角ベルトが必要になりそうですがちょっと入手できそうにありません。

 

こんな時、どうするかというと、大きな声では言えませんが、リングを反転させた状態で(内側の面が外側にくるように)はめ込むのです。そうするとあまり劣化していない面があらわれるので、また、使えるようになります。これは平ベルトの場合にも、使える場合がありますが、当然のことながら寿命は新品交換の場合に比べ短いです。

 

 

 

 

このあとMWの目盛ズレを再調整、SWのスプレッドダイアルの左右の感度差を軽減(再調整)、FMの音ひずみを軽減しました。音ひずみの原因はSカーブがズレていたためでした。FMの受信上限は92MHzあたりまで延びています。

 

 

 

ランプもLEDに交換したので少しは明るくなりましたが、どうもダイアルフィルムを照ら構造が良くないのか文字が見えずらいです。

下の写真は薄暗いところで撮ったものです。カメラの特性なのかずいぶん明るく写っていますが実際はこれほど明るく点灯しているわけではありません。1台目、2台目ともほぼ同じです。

 

 

 

 

 

交換のため取り外したベルトとムギ球です。

 

 

 

 

 

1台目と2台目を比べてみると、2台目の方がSWの感度が少し高い(5dB程度か。受信周波数にもよる)ようです。

 

 

 

もう少し様子を見て問題ないようであれば明日発送いたします。