レノクと悪魔王との幸せな生活 3 | たぬきの些末事

たぬきの些末事

こんにちは ようこそ。
取り散らかっておりますが、どうぞお上がりください。
ゆっくりしていただければ幸いでございます。
最近はinto the Rose Garden の取り留めない感想を書き綴っています。

韓国版(英語翻訳)のネタバレあります


レノクは悪魔王の書斎に走った。簡単に手の届くようなところに秘密は置いてない、絶対見つけ出してやる。そこには膨大な書籍があり、天井まで届く大きな本棚が幾つも並んでいた。


レノクは梯子に登り爪先立ちで高い所の本を探した。手を伸ばしてもなかなか届かない。分厚い古書を何冊か掴んだが、引っ張り出すのが難しい。これかと思う本を何とかして取り出そうとした時、バランスを崩し梯子ごと倒れそうになった。思わす本棚を掴んだ。本棚からたくさんの本が崩れ落ち、僕はその重い本棚ごと倒れ込んだ。あぁ、僕はこのまま死ぬのか、何の親孝行もせずにお母さんごめんなさい。


バラバラと重い本や本棚と共に落ちて絶体絶命。だが、気がつくと、周囲にはたくさんの書籍と共に脚と腕が見えた。片手で僕の胸を抱え、もう片方の手で本棚を力強く押し戻す手が。


「レノク、大丈夫か」

「お父さん!」


僕は思わず大声で泣き出した。

こんな泣き虫で弟妹の面倒も見ず1人でいたずらする子だなんてがっかりだろう、絶対叱られる。


ところが悪魔王は

「赤ちゃんになったみたいだな」

と僕を抱き寄せた。

「危ないから梯子は使ってはいけないと言ったよね」

「ごめんなさい」

「怪我がなくて良かった」

悪魔王はおでこを僕のおでこにくっつけた。本とインクの匂いと大人の男の匂いがした。ハグをしてハンカチで僕の涙で汚れた鼻を拭いてくれた。

「何を知りたいんだい?秘密裏に知りたいことがあるんだろう。君は私に似て好奇心があってしかもしつこい(執念深い)からね。君は答えを見つけるまで止めないだろうけど、危険なことは見過ごせない。教えてあげられることは教えてあげよう」

とても優しい声だったので、僕は愚かにも、今まで明かしたことのない秘密を打ち明けてしまった。


「お父さんは呪われているの?魔法の呪いの書を隠しているの?」

「誰がそんなことを」

「マーサばあやだよ。お父さんは刻印されたアルファだからお母さんを傷つけるって」

「Ah,dear」

悪魔王が悲しそうに笑った。


悪魔王なんてそんなの嘘だと言ってくれ、いつも僕にお母さんと弟妹達を守れって言ってるくせに。

「嫌いだ。違うって言って」

僕は泣きながらお父さんの胸を拳で叩き続けた。

お父さんは本当に悪魔なの?僕は悪魔王の血を受け継いでるの?


「レノクがこんなに泣き虫赤ちゃんだったとは。私に似ていると思ったが、やはりお母さんの子だったな」

「違う、悪魔王に似てるんだ!」

「ハハハ、悪魔王か、悪くない」


「レノク聞いてくれ、お父さんはお母さんに刻印されたんだ」

また涙が溢れた。


続きはまた 

刻印(imprinting )についてクロップが     話します