10年くらい前に昔のお風呂の話を書きました。

今日、また新たに書くことにしました。

僕の小学生の頃と言えば1960年前後です。

その頃、自宅にお風呂があったのは半分くらいだと思います。

 

家風呂がない家庭では銭湯です。

今のスーパー銭湯ではないですよ。

男湯と女湯の入り口の境にある番台でお金を払うと着替えの部屋、その先には洗い場と浴槽のある銭湯。

1964年、東京都内での銭湯利用率は約40%、1967年では約30%だったそうです。

 

僕の実家には風呂がありました。

風呂が家にあると仕事から帰ってきた人などはすぐ入れるので楽かもしれないけれど、今とは風呂の設備が大違いなので、家庭の主婦は大変でした。

銭湯の方が楽だったと思います。

 

今のお風呂は、湯量も温度もボタン押すだけで、必要な作業は何もありませんよね。

僕の小学生時代1960年頃のお風呂、

60代以下の人は想像がつかないでしょうけど、めちゃくちゃ手間がかかります。

 

実家の場合、お風呂を沸かす燃料は薪でした。

どこから運んでもらっていたのかは忘れましたが、ある程度の大きさの木材を運んでもらうのでした。

それを小型の斧で小さくする、薪割り仕事があります。

お風呂場には水道蛇口がなかったので、風呂場の隣にあった井戸から手漕ぎでバケツに水を入れて、楕円形の木の桶、つまり風呂桶に一杯一杯入れるのです。

そして、風呂桶についているかまどで薪を燃やして冷水を適温にするわけです。

 

しかも入っている間もお湯の温度は一定でないので、薪を加えて火を強くして熱くしたり、熱すぎたら水を入れて調整したりと今思うと気が遠くなるような作業が必要でした。

もう、そんな時代には戻れませんね。

 

風呂に入るだけでもそんな状態なわけだったので、今のように毎日入る家はありませんでした。特に冬は3,4日おきだったと思います。

毎日入るのが日常的になったのは、都市ガスが普及した後らしく、1970年代以降らしいです。

 

1960年代後半の漫画の「パーマン」の主人公のセリフでこんなのがあるそうです。
『ちゃんと、3日に一度は風呂に入っているぞ』
つまり、3日に一度風呂に入れば、威張れる話だったのかも。

 

2022年末での東京都内の銭湯は462軒で、15年で464軒が廃業したそうです。

廃業理由は「営業不振」かと思いきや、それでの廃業はたったの20軒で、多くは施設の老朽化、経営者の高齢化かつ後継者がいない、そういう理由だそうです。

 

銭湯の利用料は都内の現在は、大人520円、6~12才が200円、5才以下が100円とのこと。

夫婦と子ども1人が銭湯に行ったら、1回で1240円もかかる。

毎日通ったとしたら1ヶ月で3万7200円。

これを高いと思うか、安いと思うかは、それぞれの価値観によりますね。

 

我が家の近くにあった銭湯は、もう10年くらい前に廃業しましたが、

2階建ての大きな駐車場があり、車で来ている人もけっこういました。

銭湯は広くて天井が高いから気持ちいいですけどね。