ー初めて、このシリーズを読みに来て頂いた方にー
D・カーネギー著の『道は開ける』、この本を読んだことのある方は多いと思います。
人生のいろいろな体験者の話を通しながら生き方の話をしてくれるこの本は、
僕の愛読書で若い時代から今に至るまでときどき読み返しています。
いろいろな自己啓発本を読みましたが、この『道は開ける』が最も好きです。
今また再度読み返し、最初から最後まで要点をまとめたくなりました。
単なる僕自身のためのまとめなのですが、どなたかの悩みなどにほんのちょっとだけのプラスにでもなったらいいななどとの思いもあり、ブログ上でまとめています。
文中の「我々は」とか、「君は」と言っているのは、
カーネギー自身またはカーネギーが紹介している体験者の言葉であり、もちろん僕自身ではありません^^
すでに本編が終わり、今日は実話編⑩⑪です。
第十部 私はいかにして悩みを克服したか―実話編
⑩インドで神の声を聞いた
私はインドで人生の四十年を伝道事業にささげてきた。八年目の終わりごろ私は激しい頭脳の疲労と神経的消耗に悩まされて、幾度も卒倒した。その後休養しては卒倒、休養しては繰り返す卒倒で精も根も尽き果ててしまった。私はこれからの半生を廃人として送らねばならないのではないかと危惧した。私の一生での最暗黒時代であった。
ある晩祈りをささげている時・・・
ある事が起こり、これが完全に私に一生を一変させたのである。
「汝を呼んだこの仕事に、汝は従う心構えがあるか?」という声を聞いたのだ。
「否、主よ、私はもうだめでございます。私の力は尽き果てました」
「もし汝が悩みを我に引き渡して決してもう悩まないのなら、我は汝を守るであろう」
私はすかさず答えた。「主よ、私は確かにお約束いたします」
平和感が私の全身に満ち満ちてきた。主は約束し給うのだ!私の心は喜びにあふれた。
その時から私の生涯での最も多忙なニ十年以上が経過したが、昔の悩みは二度と戻ってはこなかった。
⑪治安官が玄関から入って来た時
私の人生で一番つらかった瞬間は、郡治安官が表玄関から入って来て、私が裏口からこそこそと出ていったその日に起こった。私の家を失ったのだ。こんなことが起ころうとは夢にも思わなかった。十二年前には、この世の中に私くらい幸せな人間はいないと思っていた。
家族と共に、夏はスイスで、冬はリヴィエラで、金持然として生活していたのだ。
私は、自分にはこれまで発揮していなかった隠れた才能があるような気がしてきたのだ。
私は自分を敏腕な事業家だと、うぬぼれるようになったのだ。
わたしには無知から来る勇気があった。不動産売買については何一つ知らなかったにもかかわらず、将来有望そうな土地を買って暴騰したら手離すという不動産売買で大きく儲けぜいたくな生活を得ようとしたわけだ。実業家として華々しく打って出るのに必要な資金を手に入れる方法は自分の家を抵当に入れることで得た。
突然に不況が旋風のように襲来して、暴風が鶏小屋を揺るがすように私を動揺させた。
利息の支払いや生活のため金が詰まってきた。借金のかたになるようなものもなくなった。
銀行は抵当権を行使して私や家族を往来に追い出した。
やっとのことで手に入れたわずかな金で小さなアパートを借り、そこへ引っ越した。
母がよく口にしていた古い諺を思い出した。「こぼしたミルクでくよくよするな」
しばらくあとで、私は自分に言って聞かせた。「私は底をついたが、とにかくそれに耐えてきた。これからは上に行くだけだ」
私は家を取られてしまったが、過去を悔やむことはよそう。母がよく口にしていた古い諺を毎日思い出すことにしよう。私は悩みに費やしていたエネルギーを仕事に打ち込んだ。
少しづつ私の状態は改善されていった。ああいう経験をしたことで、力と忍耐と自信を得ることが出来た。
今、些細な悩みや不安や心配が私の心を乱しそうになると、「俺は底をついたが、それに耐えた。これからは上に行くばかりだ」と自分に言い聞かせたときのことを思い出して、悩みや不安や心配を追っ払うことにしている。。
それ以上落ちなくなれば、上に行く努力は出来るはず。
次回は、
⑫私の戦った最大の強敵は悩みだった
⑬私は神に孤児院へ入れないようにようにして下さいと祈った