読まない日もあったので、日数的には時間がかかったけど、

けっこう、集中して読んだ。

 

『晴天の迷いクジラ』、窪美澄の小説はこれで3作目、読むごとに好きになっていく。

読みだすと惹き込まれて止まらなくなる。

 

僕は、最後の結末は読者に任すことを意図したような小説は嫌いなのです。

明るい、或いは熱い未来を約束するような終わり方の小説が好きなのです。

悲しい結末の場合でも、いずれにしても、小説のなかで結論を出してもらいたい。

 

語彙力のない僕の下手な説明となるけど・・・

 

主人公は一人、とも言えるし二人、とも言えるし三人、ともいえると思う。

生まれた時点が挫折的環境、それしか知らないからそれを普通と感じて育つが、

ある時点でそれまでとはまったく違う光を感じ、光を求め、光という幸福感をつかむ。

三人それぞれ、その光に包まれる期間の長さに違いはあるけれど、

でも、」幸福感の実体を理解できないままに光を失う状況に陥り立ち直れない挫折となる。

もう死のう、或いは死んでもいいやと思う。

 

元々は赤の他人(二人は仕事上の関係はあるが)の三人が、

死んでもいいや的な状況という共通事項の部分が、きっかけとなり行動をともにする。

そこに挫折の心を持った温かい人たちとの接触もあり、三人はお互いに知ることのなかった心の内を知るようになる。

 

そして、大きな出来事が起こる。

死なせない、死なない、そう思い顔を上げる。

やるべきことを思い闇から脱出、光を求めて復活する道が見えてきた。

 

読んだ後の爽快感もあり、内容的にもとてもいい小説だと思いました。

 

ブロともさんも、絶賛の小説でした。