④より



3.時間と時刻


 一日は便宜上、24時間に分割され、

地球は、西から東方向へ1時間当たり、経度15度分回転しています。

上で言う時間とは時刻の移り変わりのことで、

あくまでも人間が勝手に決めた便宜上の数値のことです。


 時間とは、空間の要素の一つで、単位で表せるものではありません。


 ある地点を基準点として、そこに僕たちがいると考えてみて下さい。

その時の時刻を24時としましょう。

その時、そこから経度15度、西側は23時であり、

そこから経度15度、東は午前1時です。

このことをベースに考えると、以下のようなことが考えられます。


 基準点に1時間とどまっていたとしたら自然と午前1時となり、

位置的には経度が15度東に動いています。

とどまらずに、たとえば地球の自転速度と同じ速度で、

東に向かって、1時間動いたら、その移動地点は基準点から、

経度分では30度動いたことになり、基準点を出発したとき、

午前2時だったところは、午前3時になっているわけですから、

つまりは、1時間で、2時間分進んだということになりますね。

これは、1時間分、生命が先行したということになると思いますか?


 逆に、地球の自転と反対方向の西に向かって、

地球の自転速度と同じ速度で動いたら、

1時間後は、基準点を出発したとき22時だった地点に到達します。

そこでの時刻は、基準点から出発後1時間ですから23時のはずです。

つまりは、1時間というTIMEを使っているにも係わらず、

時刻は、基準点出発時よりも、1時間前ということになりますよね?

これは、地球の便宜上、定められた時刻というものだけを考えれば、

2時間分が消失したことになります。

別な言い方をすると、2時間分、若返ったとも言えると思います。


 ただ、この考え方は、

タイムマシンの模倣のように感じるかも知れませんが、

僕の思いは、タイムマシン的考え方ではありません。



 前置きが、ずいぶんと長くなってしまいました。

そろそろ、小説的展開にしたいと思います。



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