※もし、興味ある方は、ウルコシリーズをご覧になってください。

  ウルコの親友のヨイコがところどころに出て来ます。



 ウルコは、つきあう男をまた変えた。

ウルコは、我儘すぎる。

一応、小学校時代から、ずっと同じ学級で、

わたしとウルコは親友ということになっているけれど、それは、いつも、わたしが折れてあの子のご機嫌を損ねないようにしているだけのことだ。

後楽園遊園地にWデートで行ったときだって、遊具の乗り物に乗る時、当たり前のようにあの子は、一番いい席に座ったけど、わたしはスカートが捲れそうな席に座るしかなかった。

いい席を取るのも、いい場面に当たるのも、まずはウルコ・・・

そういう目に見えない決まり事のようなものが、わたしたちの間には出来上がっていた。

でもね、わたしあってこそ、モテるウルコの存在価値が高められていることに、ウルコは気づいていない。

わたしは、それでいいやと思ってることなんかウルコはまるで考えたこともないだろう。


 今回、ウルコに振られた男の子は、わたしにも興味を持っていたし、わたしも彼に好意を寄せていたけれど、ウルコの色目を使ったアタックに、その子はめろめろになってしまったので、ウルコのことも思って、わたしは、身を引いたんだ。

それなのに、ウルコは飽きっぽい。

すぐに他の男の子に乗り換えるんだ。

なのに、またすぐに、色目を使って戻ってくる。

たまには、思い知らせてやろう。

彼を、わたしになびかせてやる。

戻りたくても、そうそうはうまくいかないこともあるんだということを思い知らせてやる。


 小学・中学・高校と続くその学校は、午前中の授業の間に、業間体操というのがあって、みんな15分ほど校庭に出る。

彼は、いつもさぼって教室内にいた。

わたしは、教室に残る彼に、さりげなく彼に目配せをしつつ校庭に出た。

机の上には、わざと開いたノート・・・。

そこには、

”○○くん大好き、○○くんのことで頭がいっぱい、

でもウルコがいるから近づけない、〇〇くん、オイコは寂しい”

そんなことを書いてある。


 業間体操から戻ると、予想は的中した。

ノートは閉じられて、見えるようにメモ書きがはさんであった。

”僕もヨイコは、前から気になる女の子だったよ。昼休み、屋上で”

そう書いてあった。

これが、きっかけとなり彼は、わたしのカレシとなった。

もちろん、ウルコは知らない。

ウルコは、男を渡り歩くが、しばらくすると、元カレとよりを戻すということを繰り返している。


 そのよりを戻そうとした元カレが、わたしのカレシになっていることを知ったとしたら、ウルコはどうするだろうか・・・。

ウルコは、プライドの高い女だ。

はらわたは煮えくり返っても、気づかぬ振りをして去るでしょうね。

いい気味だ。

これが親友のやることかですって?

いいえ、ウルコが上から目線でわたしを勝手に親友扱いしているだけで、

特に害はないから、合わせてるだけなの。


 でもね、わたしも、ときにはむかつくわけ。

結局は、私の勝ちだったわよね。

大学も、結婚も、可愛い子供も、ぜ~んぶ、自己マン親友のウルコに勝ったの。

今頃、ウルコは、どうしているかしらね・・・。