息子、35歳
18歳に遅めの反抗期に突入し、以来17年間その志しを貫き通す頑固者。
大学卒業後は会うことも殆どなく、必要最低限の事務連絡のみの繋がり。
母としては心配でたまに勇気を振り絞って
「元気?」
とメールをしても、返信なし。
そんな息子から、先日珍しく連絡が来た。
「高熱が出て、どうやらコロナに感染したみたい。外出できないから、食料と飲み物を届けて欲しい」
これは一大事!
「何が欲しい?」
と聞くと、即返信が。
かなり困っているのだなと、慌てて急行した。
自宅療養期間中、毎日の安否確認と往復6時間近くかけて荷物を届けること数回。
息子からはその度に
「大丈夫!元気だよ」
「ありがとう」
のメール。
無口ゆえ電話が苦手なので声は聞けなかったけれど、返信をくれるだけでも、母は嬉しい。
こんなことがきっかけになるなんて少々複雑ではあるが、少しだけ親子の溝が埋まったできごと。
長い長いトンネルの先に、小さな灯りが見えた。