「抑制とは体ではなく心を縛るものだ」
この言葉は
前回の投稿『トイレの花男くん』に登場した男性後輩看護師が発した
迷言である!
医療や看護が進む現代
それまでと違い
身体抑制の削減、廃止へと移行しているのだが
高齢化社会が進む現代の医療現場において
なかなか身体抑制を完全には削減、廃止できていないのもまた現実である。
さて
患者の安全を守るために
やむおえず実施する身体抑制なのだが
彼に抑制された患者は不思議とそれまでの不穏行動が嘘かのようにピタリと止まり
静かに目を閉じるのである。
まさに
彼の発言通り
「抑制とは体ではなく心を縛るものだ」
なのである。
ここで
そんな彼のエピソードを
1つ紹介したい。
とある日勤の朝
その日手術を受ける予定の患者Aからナースコールが鳴ったため訪室した私は
「さっき先生に点滴を入れてもらったんだけど、すごく腫れてて痛くてさ。それで○○(男性後輩看護師)に見てもらったんだけど、大丈夫大丈夫って言われてさ!アイツ殺したいんだけど…」
その患者Aの容姿は失礼ながら
まるでヤ○ザを思わせるような
強面の方であった。
そして
手術中の付き添いのために来ていたお母様は
反対に清楚で品が良い感じであった(※失礼な発言申し訳ありません)
そんなお母様からの
「わたくしも同じ気持ちです」
という発言を聞いて
私は事の大きさを実感したのだ…
私は謝罪をし
急いで男性後輩看護師に事情を説明して患者Aの元へ向かわせた。
しばらくして
なかなかナースステーションに戻ってこない後輩のことが気になった私は
自分自身のドックンドックンと鳴る心臓の鼓動を感じながら
患者Aの元へ向かった。
するとそこには
患者Aからの強い視線を感じながら
留置針(点滴の針)を持つ手がブルブル震えて
なかなか血管に向けて刺すことができない後輩の姿があった。
そんな後輩の姿を見た
その時の私の率直な思いは
お前の心
縛られてるやん
(おしまい)