ミンコフスキとOEK。記憶が確かなら初めての実演。ミンコフスキは以前ザルツブルクで聴き、かなり好きな指揮者。プログラムはベートーヴェンの田園と運命という名曲集というようなもの。ただし、ミンコフスキが振るならどうしても期待してしまう。

 

前半の田園。自分の知るミンコフスキとは違うアプローチ。古楽的で快速な田園を期待していたが、肩透かし。2楽章などはたっぷり田園の景色を堪能させるような、のどかなテンポ。らしさがみえたのは4楽章の嵐の場面。ただ、もっと過激な演奏を期待してしまっていた。正直、自分にはあまり刺さらない演奏。オケもアンサンブルがそろっていないような。早いテンポになるとかなり弦などは荒かった。金管もソロでミスしたりと、傷は目立つ。ただ、アマチュア的な熱気があるところは好感もてた。

 

後半の運命。やっとミンコフスキらしさを感じた。一楽章で片鱗をみせ、4楽章に爆発という感じ。期待していたもので、面白い演奏。ただ、ベートーヴェンのリズムの面白さをきわだたせた。ただし、一方で残響があるのに次の音符に進むなどリズムに特化した弊害も。ベートーヴェンのリズムはこんなにロックなんだと言いたかったのかもしれない。ただ、ベートーヴェンはリズムだけではないので、その点、物足りないところも。4楽章も快速。特に最後は爆演系なので盛り上がった。ただ、せかせかした感じも否めず、アタッカから急に快速にしたのも、唐突感。面白いけど感動しないコンサートだった。

 

ミンコフスキ、ひょっとしてルーブルの手兵とやらないとよさがでないのかも?次回は都響あたりできいてみようと思う。冒頭に広上さんが解説。能登地震の募金を幕間にやると説明。故・岩城宏之さんがOEKの監督時代に東日本大震災があり始めたものらしい。アンコールに能登と小澤征爾をおもい、バッハアリア 管弦楽組曲3番。これはよかった。