ペトレンコの素晴らしさに触れ、あわててBePhilのチケットを購入。BePhilとはベルリン・フィルの国際的コミュニティプロジェクト。簡単に言うと日本のアマオケの団員にベルリン・フィルのメンバーが共演するというもの。
プログラムはブラームスのバイオリンとチェロのダブルコンチェルト、後半がプロコフィエフの「ロメオとジュリエット」抜粋というもの。前半はVn樫本さんとVcクヴァントさんがソリスト。指揮は打楽器奏者のヘーガー。後半はペトレンコという形。
アマチュアオーケストラに選ばれし精鋭たちはベルリン・フィルのメンバーの審査をえた実力者揃い。プロコフィエフとか難しそうなのに、みなさんすごいと、アマオケ経験者の自分は羨望の眼差し。弦のパートリーダーにはベルリン・フィルのメンバーがしめるという布陣。
さて、実際の曲は前半は案外、音楽が単調で退屈に感じてしまったのも事実。ソリスト2人の演奏が見せ場であるが、座席の関係上なかなか音が飛んでこないのが残念。やはりアマチュアだし、こうなってしまうのかなと思っていた。
しかし、後半ペトレンコが指揮をするだけで、音楽が一変。これには本当に驚いた。同じオーケストラとは思えないほど音楽が活き活きしている。前半の指揮者はもはや噛ませ犬のようである。指揮者でクラシックの音楽は変わるというのが持論であるが、その認識は誤っていなかったと痛感した。(以前、朝比奈隆の本で、フルトヴェングラーが別の指揮者と演奏しているときに会場に入っただけで音が変わったとか話していた)
ペトレンコの指揮は何が違うのだろう。オケを集中させる間のとり方、ギアチェンジのさせかた、静寂の扱い、オケを載せ方も抜群。おそらくオケのメンバーたちも目にわかるようにのせられているのがわかる。というわけで、ペトレンコのプロコフィエフというロシア物プログラムを聴くことができてよかった。タイボルトの死の凄まじい音楽などはアマチュアと言われても信じないレベルで素晴らしかった。
今度来るときはロシア物もぜひ聴いてみたい。