愛知県名古屋市の2022年度予算案には、歴史や文化、観光に関係する事業費も計上されています
豊臣秀吉の出世の過程が分かる史料「豊臣家文書」の購入費や、2023年のＮＨＫ大河ドラマ「どうする家康」にちなんだ観光の推進費、老朽化が進む松坂屋初代社長、伊藤次郎左衛門祐民の別荘「揚輝荘」の整備関連費用などを盛り込んで、名古屋市の魅力アップにつなげる狙いです
名古屋市が購入する「豊臣家文書」は、国の重要文化財（重文）で、67点からなっています。豊臣秀吉の妻、ねねの兄を初代とする足守木下家に伝わった史料の一部です
名古屋市は、市博物館の老朽化に伴って、リニューアルを計画中のようです。2026年に本館の一部改修、2029年度中の全面開館を予定しているそうで、リニューアル後の目玉として豊臣家文書を同館に展示したい考えとの事です。
「豊臣家文書」は、天皇から位を得た際に届けられた行政文書などで構成されています。豊臣秀吉が関白に任じられた際の任命書「宣旨」や、豊臣秀吉のおいである秀次の関白の受任書、ねねに関する史料なども含まれています。
購入額は、3億3000万円です
博物館によりますと、豊臣秀吉が書いた手紙などは数多く残っているそうですが、豊臣秀吉が受け取った物は少ないそうです。
市博物館は、名古屋ゆかりの豊臣秀吉の研究に取り組んでいる事で知られていて、これまでに豊臣秀吉が書いた手紙や命令書などをまとめた文書集を刊行しています。
「豊臣家文書」を所有する秀吉の子孫が、市博物館のこうした実績を知って、名古屋市側に「史料を活用して欲しい」と声を掛けられたそうで購入が実現したそうです。
市博物館は現在、豊臣秀吉の文書52点を所蔵しているようですが、いずれも国の重文ではないそうです。担当者は「豊臣家文書の購入を機に、さらに秀吉の研究を進め、功績などを広く伝えていきたい」と述べられてみえます。
大河ドラマ見据えて徳川家康ゆかりの場所ＰＲ
「どうする家康」の放映を見据えて、名古屋市は徳川家康ゆかりの場所をＰＲして観光客を呼び込む為に、プロモーション費など2000万円を計上しました
名古屋市内には、徳川家康が築城を命じた名古屋城や、幼少時代に過ごした万松寺（名古屋市中区）、織田信長の兄信広と人質交換された笠寺観音（名古屋市南区）などがあります。
名古屋市は民間事業者と連携して、ポスターや冊子などを通してこうした情報を発信
ゆかりの地を巡るスタンプラリーなども企画しているそうです。
ＮＨＫ大河ドラマ「どうする家康」では、徳川家康役で松本潤さん、織田信長役で岡田准一さん、豊臣秀吉役でムロツヨシさんが出演されるそうです。三英傑が登場するとあって、名古屋市内でも注目が高まっています
「揚輝荘」整備、有識者から意見聞き取り
名古屋市千種区の「揚輝荘」は、市の有形文化財に指定されている5つの建物や庭園などからなり、現在は名古屋市の所有です。2022年度は有識者から意見を聞いて、「揚輝荘」全体の整備スケジュールをつくる為の費用500万円を盛り込んでいます。
名古屋市は2007年3月に「揚輝荘」を取得しました
建物の傷みがかなり進んでいた事から復元に取りかかり、2013年8月からは一部を一般公開しています。
しかし、その後も修復すべき部分が多く見つかって、応急的な修繕が続いていました。この為に、建物と庭園の整備計画は策定されているものの、全体の整備スケジュール作成までは手が回っていませんでした
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