今日は久しぶりに石の記事です。以前に載せた標本を再度掲載します(写真以外は新たに書きました)。
化学式:SiO₂ 二酸化ケイ素
和名:石英(曲がり水晶)
産地:静岡県 静岡市 安倍川 中流(石英脈の転石)
Glycymerisの,とても気に入っている標本です。 (画像は数年前に撮影したのでピンボケしてしまっています。)
結晶が30度ほどなめらかに曲がっています。
安倍川の中流~下流では,1.5cm以上の水晶の結晶を見つけることは困難です。15mm以下の水晶なら,数はかなり少ないですが,石英の白い脈が入った石を割って探すと見つけられることがあります。しかし,最近は数mmのものしか見つけられなくなってしまいました。
この水晶は,長さ約13mmですが,スレンダーなので小さめに見えます。
これが出た石はボロボロで,あまり水晶が出ないように見える石だったのですが,割ってみたら「ぐにゃり」と曲がっている水晶が出てきてびっくりしました。「」
「曲がり水晶」と検索するとたくさんの画像を見ることができますが,殆どのものは,結晶が途中で折れてまた曲がったまま繋がったようなものです。この標本のように,角ばった曲がり方をせずに,曲線を描いているものは,少ないように思いました。
おそらくこの結晶は,結晶が育っている隙間の壁に何度もぶつかり,曲がりながら,ゆっくりと避けながら成長した結果,このような形になったのかなと思っています。
最近気付いたのですが,実は安倍川では,もう1つ10mmほどの曲がり水晶をとっていました。結晶が集合している中にあったので,気付かなかったようです。その結晶は,結晶が途中で折れてまた曲がったまま繋がったようなものでした。
曲がり水晶はかなり珍しいなどとよく書いてありますが,小さいものなら,見つけやすいかもしれません。
Glycymeris