化石の採集・クリーニングの道具について(1) | Glycymerisのブログ 日本とNZの貝類蒐集

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Glycymerisとはタマキガイ属(二枚貝)の学名です。
貝類と化石が大好き人間です。
ニュージーランドの海岸で採集した貝類も掲載します。

久しぶりの更新です。

今回は化石採集での道具について少し載せます。

化石採集にもいろいろな状態の場所があります。
例えば静岡県静岡市の根古屋(第四紀更新世中期,約20万年前)は,まだ岩になっていない泥の層から化石採集します。ここからは貝の化石が見つかりますが,非常にもろく,壊れやすいです。
このような場所は他にも多数あります。
また、泥は水を溜め込みやすいので、このような場所では、泥だらけになってしまうことが多いです。




このような場所です。最後1つ前の画像は貝化石(Glycymeris rotunda ベニグリ という種類です)が見えているところです。最後の画像はこの露頭から採集したGlycymeris rotunda ベニグリ(ベンケイガイ・タマキガイの仲間の二枚貝です)のクリーニング済みの化石です。
(静岡市根古屋)


[化石が埋まっている岩が柔らかく爪で削れるような泥のような場所での採集道具]

・ハンマー
安全の為,化石・岩石などの専用のエスティング社製のものなどが良いです。
無い場合は普通のハンマーで出来ますが先が飛んだり,手を誤って叩かないように、気をつけて使ったほうがいいです。タガネを打つために使います。

・タガネ(チス)
タイルタガネというタガネがいろいろなサイズもあり便利です,(メーカーは用途外の使用を禁じているので,自己責任で使うことになります。)
・ツルハシ
柔らかい泥の場合はツルハシなどで岩を剥ぎ取るように割ることが出来ます。
ハンマー&タガネよりも早く採集が出来ることもあり便利ですが,泥のなかに礫などが混じっている場合はほぼ使えません。
・新聞紙
化石を包む以外にも,大量に持っていくといろいろ役に立ちます。自分も泥だらけになることは多いです。
・作業手袋・軍手
ハンマーなどを振るときにあるとかなりやりやすいです。
また、山の中などで役に立ちます。

・低粘度の瞬間接着剤
もろくなった貝化石などにかけます。低粘度でないと化石に染み込まないです。湿っている化石の場合はかけないほうが良いこともあります。
・コンクリート針・カッター・錐など尖ったもの
これで全体を綺麗にしてから接着剤を掛けたほうが効果的です。

[化石が埋まっている岩が柔らかく爪で削れるような泥のような場所でのクリーニング道具]

・コンクリート針・カッター・ピンセット・針・錐など尖ったもの
これで化石の周りの泥を取って化石本体が良く見えるようにします。化石本体だけを取り出しても良いですが壊れやすくなります。岩に半分埋まっている程度でも十分です。
・低粘度の瞬間接着剤
もろくなった貝化石などにかけます。低粘度でないと化石に染み込まないです。
・牛乳ぐらいに見える濃さに薄めた木工用ボンド
泥の塊や殻がはがれそうな貝化石などにかけます。岩(泥の塊)の上に貝化石が乗っている状態で保存する場合は岩にこれをぬって染み込ませると細かいくずが落ちにくくなります。

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