ロジックICを使ったXTAL振動子の発信回路の話です。
私が良く使う74ロジックを使った4MHz~30MHz程度の基本波発信回路がこれです。

 



TC74HC04AP(東芝製14PIN-DIP)を使い、この回路で発信させています。
※念の為に再確認してみましたが所有している下記27種すべて安定発信しました。
 4MHz HC49US XTAL
 4MHzセラミック
 5MHzセラミック
 6MHz HC49US XTAL
 6MHzセラミック
 7MHz HC49US XTAL
 7.159MHz HC49US XTAL
 8MHz HC49U XTAL
 8MHzセラミック
 9.83MHz HC49U XTAL
 10MHz HC49U XTAL
 10MHzセラミック3本足
 10.24MHz HC49U XTAL
 10.245MHz HC49U XTAL
 10.7MHz HC49US XTAL
 12MHz HC49US XTAL
 14MHz HC49US XTAL
 14.318MHz HC49US XTAL
 16MHz HC49U XTAL
 20MHzセラミック3本足
 21.25MHz HC49US XTAL
 24MHz HC49US XTAL
 25MHz HC49US XTAL
 26MHz HC49US XTAL
 28.636MHz HC49US XTAL
 64MHzオーバートーン HC49US XTAL(基本波21.34Mの発信を確認)
 75MHzオーバートーン HC49US XTAL(基本波25Mの発信を確認)

 

発振確認はブレッドボードで行いました。

 

74HCU04を使う方が安定するとの情報もありますが幸い74HCシリーズで何も問題なく安定発振できちゃってます。
良くわかってないんですがもしかしたら74HCU04を使うとオーバートーン発振が容易に出来るって事があったりするのでしょうか。
そんな私が上記回路で発信できなかった振動子があります。
下記、時計用の32.768KHzのXTAL振動子です。

 

私のお気に入りSTM32シリーズマイコンだと単に32.768KHz用端子につなげてから22pFのコンデンサを2つGND間に付ければ確実に発信するのに74HC04だとまったく発信してくれません。
何でダメなのかを調べたところ下記回路の様にRf抵抗を10MΩにしてRd抵抗を付加すれば良いとの情報を見つけました。

 

Rdは使用する32.768KHz振動子のスペックから直列抵抗の値を調べて6倍程度にすると良いとの事。
32.768KHzのXTAL振動子の直列抵抗値は概ね50KΩ前後みたいなので330KΩにして試すことにしました。
但し、Rfの10MΩという大きな値の抵抗を持っていないので1MΩを数個直列接続して試す事にします。
動作確認の結果、Rfが4MΩ以上で安定動作を確認しました。

 

 

74HC04を使い32.768KHz発振が確認できたのは、今回始めてです。
これまでは問題なく発信するSTM32マイコンでしか使わなかったので何も不自由は無かったんですが74HCでも安定発振なのでちょっとだけ気持ちがスッキリ。

あくまで私の曖昧な解釈ですが32.768KHzのXTAL振動子は周波数が低い為、内部構造を音叉型にし、屈曲振動モードで発振させる。
HC49U形状XTALの様にATカット厚み滑り型のXTAL振動子に比べて音叉型はどうしても直列抵抗がすごく大きくなる。
この抵抗が大きいことで共振点前後で位相が180度を通らない。
そこで今回の様に抵抗を付加する事で無理やり位相を回転させれば共振点でのフィードバックゲインが1を超えて発信するのだと思われます。
まあ、難しい事は置いといて、発信できてよかったよかった。