NO.9   発病 その2

からのつづき。。。


私は保護室で目が覚めた。

精神病院の保護室だ。


都立松沢病院 

青森に来てからも何度も入院を繰り返しているが、

やはり東京の精神病院は一流だった。

広大な敷地だった。


閉鎖の女子病棟

隔離された鉄格子の中だ。


入院してほどなく、

医師に囲まれて面談をしている。


そこでは、妄想したことのあらましを話していたので、もうすでに自分を取り戻していたのだ。


保護室で外部から遮断することによって、冷静になれることを後で知るが、

独房。

トイレしかなく、だだっ広いトイレといったところだ。


誰も入りたくないだろうと思うが

私にとっては、最高の逃げ場。

妄想や空想の世界に浸れる場所、

そしてゆっくりと平常心を取り戻していく大事な場所だ。


シャーリーマクレーンは、いつも鈴を鳴らして保護室の安全を確認にきてくれる。

私ははしゃいでいる。


あれが幻覚なのか想像が映像になっているような想像をしているのか、、

これは文字にして説明ができないな。


30名ほどの女子隔離病棟


冷蔵庫が死ねと言う幻聴もちの女の子


恵子さんという優しい子供さんのいるおばあさん


聴覚障害をもつ外国人の女性


一緒に霊媒をしに部屋を駆け回ったお姉さん


そして、お母さん、お母さんと、母親の首を吊った姿を忘れられず苦しむ、ヨウコちゃん。


31年の時を私は乗り越えてきたんだ。

今も仲間がいる。

一緒に乗り越えよう。

守り合おう。


NO.11  回想

へつづく。