今日は、第11回1級キャリアコンサルティング技能検定実技(論述)試験事例2選択問題において、キャリアコンサルタントの所感から、相談者Aの訴えた問題に対して、どのように捉えたのか考えます。

 

また、キャリアコンサルタント自身が抱えている問題は何かを考えます。

 

相談者Bを、新書式に基づいて、相談者Aとして考えます。

 

【所感】 仕事に対する思いや、家庭の事情は聞けたと思っている。配偶者の転勤もあり、現実的には仕事と生活の両立の難しさがあると思ったが、キャリアについて強い意思があるため、自分が優先したいことの順位づけをしてみては、とアドバイスをした。次回の約束をしたが、キャンセルとなり、数週間後に、代わりに外部のキャリアコンサルタントを紹介してほしいとの要望があった。自分自身の対応に問題があったのかもしれない。また最近は仕事との両立に悩む相談も増えてきたことから、指導を受けたい。

 

このキャリアコンサルタントの所感から、キャリアコンサルタントは相談者が訴えた問題をどのように捉えていると考えますか。

 

キャリアコンサルタントの所感から、次のように相談者Aの問題を捉えていることが読み取れます。

 

キャリアコンサルタントは、相談者Aが夫の転勤や育児の状況により、仕事と生活の両立が現実的に難しいと感じている点を理解しています。

 

そのため、相談者Aのキャリアと家庭生活のバランスに課題があると捉えています。

 

相談者Aがキャリアアップや仕事への意欲を強く持っていることを理解しています。

 

これに基づいて、相談者Aに優先順位を整理するようアドバイスを行いました。

 

相談者Aが外部のキャリアコンサルタントを紹介してほしいと要望してきたことから、キャリアコンサルタントは自身の対応が不十分だったのではないかと感じています。

 

相談者Aのニーズに十分に応えられなかった可能性があると考えているようです。

 

相談者Aのケースに加え、最近、仕事と生活の両立に悩む相談が増えていることを受け、キャリアコンサルタントは自分自身のスキルやアプローチに対して指導を受けたいと考えています。

 

これにより、より効果的なサポートができるようにしたいという意識が伺えます。

 

全体として、キャリアコンサルタントは、相談者Aの問題を「仕事と家庭生活の両立の難しさ」と「キャリアへの強い意欲」のバランスをどう取るかという点に焦点を当てて捉えていますが、自身の対応が適切でなかった可能性を感じています。

 

では、このキャリアコンサルタントの所感から、自身が抱えている問題は以下のように捉えることができます。

 

キャリアコンサルタントは、相談者が抱える現実的な問題やニーズ(仕事と生活の両立の難しさ、夫の転勤に伴う不安など)に対する深い理解が不足している可能性があります。

 

相談者の優先順位の整理をアドバイスしたことから、相談者の本質的なニーズや感情的な側面を十分に掘り下げられていないと考えられます。

 

相談者が面談をキャンセルし、外部のキャリアコンサルタントを紹介してほしいと要望したことから、キャリアコンサルタント自身の対応に問題があった可能性があります。

 

例えば、相談者の感情や実際の課題に対する対応が不十分だったため、相談者が他の専門家に支援を求めることになったと考えられます。

 

キャリアコンサルタントが自分自身の対応に問題があったと認識していることは、自己評価の重要性を理解している証拠です。

 

これは、今後の改善に向けた意欲を示しています。

 

最近の相談で仕事との両立に悩むケースが増えていることから、自分の支援方法や技術に対する見直しが必要と考え、指導を受けたいという意欲を持っていることも示されています。

 

相談者の実際の問題や感情に対して、より深く理解し、適切なサポートを提供できるようにするための面談技術の向上が必要です。

 

相談者のニーズや課題を的確に把握し、その上で実効性のあるアドバイスやサポートを行うためのスキルの強化が求められます。

 

キャリアコンサルタントは、相談者の問題に対する理解が不十分であった可能性があり、その結果、対応が適切でなかったと認識しています。

 

今後の成長には、相談者のニーズを深く理解し、対応技術を改善することが必要です。

 

自己評価を行い、必要な指導を受けることで、より効果的なキャリアコンサルタントとしてのスキルを磨くことが求められます。

 

これで、事例相談者が記録したとされている、相談者Aとの面談過程とキャリアコンサルタントの所感の振り替えりを終わります。

 

次回は、問1 相談者Aの訴えた「問題」は何か。について、具体的な解答を考えます。

 

(続く)