今日は、「事例指導の受容の意味パート2」について述べます。

 

1級キャリアコンサルティング技能検定実技(面接)試験のロールプレイにおいては、事例相談者の助言や提案などの対応を理解し、事例指導者(受検者)が受け止めることが非常に重要です。

 

事例指導者は、事例相談者の相談者に対するキャリア形成支援に関する助言や支援や対応を把握し、それに基づいて適切なアドバイスや提案を行い事例の指導をします。

 

事例相談者が自分の助言や支援や対応の問題が理解され、尊重されていると感じると、事例指導者の提案やアドバイスの指導内容をより受け入れやすくなります。

 

その結果、事例相談者と事例指導者との間で信頼関係が築かれ、より効果的なキャリア支援の指導が行われることになります。

 

受検者(事例指導者)が、事例相談者に対してこのようなキャリアコンサルタントの基本的な態度である受容の態度を示すことが必要なことなのです。

 

例えば、事例相談者が相談者のAの選択肢に対して、Bの選択肢を提案したところ、納得感を得られていなかったので、どのような提案をしたらいいのかわからず、事例指導者に相談にきます。

 

それで、事例指導者は、自身の価値観から相談者の選択したAの選択肢に関りを持ったのかを確認して、そのことができなかったことを理解させようとしますが、事例相談者はその指導に納得を得られていません。

 

事例相談者が、そのことに納得を示せないのは、事例相談者自身の助言や提案して支援したことを、事例指導者が受け止めて、受け入れてくれないので、事例指導者の指導を受け入れないのです。

 

他方、受検者(事例指導者)は、この受容の意味を事例相談者に理解させる関りを持つことで、事例相談者の対応指導を行うことが大切です。

 

事例相談者の行った対応を肯定的に受け止めて、共感的に理解した上で、受け入れることによって、事例指導者は事例相談者と信頼関係を築くことができるのです。

 

つまり、キャリアコンサルタントが相談者の希望やニーズに対して、それを達成するのは難しいと批判的な態度を取ったことと同じような態度をとるのではなく、キャリアコンサルタントが行ったその批判的な態度をも受け止めて、受け入れることで、事例相談者は事例指導者の指導内容を受け入れることができるようになるのです。

 

そして、事例相談者に相談者の期待やニーズを受け止めて受け入れる対応としては、どのような関わりを持てるのかを、事例指導者は事例相談者と一緒に考えるプロセスを持って、面談を進めることです。

 

それで、相談者の希望を叶えるのは難しいかもしれないけど、それを相談者が達成できるような支援をできる限り行うことが求められていることに気づきを促します。

 

つまり、相談者が自分の希望を達成できる可能性があれば、事例相談者にそのことを一緒に伴奏して支援することが必要なことを事例指導者が事例相談者に納得感を得られるように教示するのです。

 

いわゆる、パラレルプロセスの気づきが生まれるのです。