今日は、口頭試問の(この事例相談者の今後の育成目標は何ですか。)をテーマに考えます。

 

1級キャリアコンサルティング技能検定実技(面接)試験では、事例相談者の相談したい事例を用いて面談を進めます。

 

そして、面談が終了すると、次は、10分間の口頭試問が行われます。

 

7番目に行われる質問は、

「この事例相談者の今後の育成目標は何ですか。」

です。(現在は、質問の順番を変えられる場合があります)

 

この質問に対する回答は、事例相談者が今後どのような姿勢や態度、知識やスキルを向上させ、どのような成長目標を設定するかを具体的に示すことが重要です。

 

例えば、キャリアコンサルタントとしての姿勢や態度が不足している場合には、

 

相談者が次回面談に来なかったことから、信頼関係が維持できなかったという課題が明確になったときには、その時の育成目標は、キャリアコンサルタントとしての基本的な態度である「受容」「共感」「自己一致」のカウンセリングマインドを身につけることになります。

 

相談者が事例相談者の助言や提案、支援や対応に納得していないことから、相談者の問題把握が不十分であるということが理解できます。

 

問題把握には、事例相談者が相談者の問題を把握していない「相談者視点」と「事例相談者視点」の2つがあります。

 

ここで問題にするのは「事例相談者視点」の見立ての不足に焦点を当てます。

 

先ず、相談者が抱える複数の問題に対して、相談者が一番何を話したいのかという問題に焦点をあてることが重要です。

 

次に、相談者が一番話したい問題は、相談者がどのようなことを経験したことから、その問題をどのように考えたのか、そしてどのような行動を起こしたのか、どのような感情を抱いたのかを明確化することです。

 

それから、相談者が自分自身の問題として意識化することが必要になりますし、これが直面化です。

 

以上のことから、問題把握不足を課題とするならば、見立てるスキルである、「焦点化」「明確化」「直面化」の技法を身につけることが育成目標となりますし、マイクロカウンセリングの積極技法の習得を必要とします。