第13回実技(論述)試験の、

キャリアコンサルティング技能検定試験問題等使用許諾申請書

をキャリアコンサルティング協議会から、10時36分にいただきました。

 

協議会のHPに第13回の論述問題が掲載されたときに、解答したものを公開します。

 

皆さんの解答したものと比べて、いかがでしょうか。

 

1 級 実技(論述)試験 解答用紙

 

問1 相談者Aが訴えた「問題」は何か、記述せよ。(10点)

 

Aは管理職の職務として予算管理の克服と家族関係から収入の面を不安視し、将来の転職も考え、キャリア・サバイバルの問題を抱えている。職務と役割のプランニングが不足しているため、管理職かスペシャリストか、外的キャリアと内的キャリアの選択で意思決定できずにいる。

 

問2 あなたが考える見立てに基づき、相談者Aが「問題」を解決するために取り組むべきことは何か、記述せよ。(20点)

 

管理職としてのマネージメントかスペシャリストとしての専門性か、どちらに関心があるのか明確にする。仕事と家庭の両立の点で何をやっている自分に価値観を感じるのか向き合わせる。キャリアの棚卸しを行い、自分の経験と能力から何が得意なのか整理することで自己概念を点検する。さらに、管理職とスペシャリストのそれぞれについて、それを選択した場合の予測を自己概念に照らし合わせて評価し、選択を決定することに、主体的な意思決定を支援する。

 

問3 相談者Aを支援するために必要なネットワークは何か。

相談者Aの置かれた環境への働きかけについて関係機関や関係者との連携も考慮し、記述せよ。(20点)

 

Bは管理職を目指す社員のための能力開発を人事部担当者と協働して実施する。Aは予算管理能力が不足していることから自信を喪失し、キャリアパスをスペシャリストでのキャリア形成を考えている。Bや課長、管理職を目指す社員の多くが、予算管理の職務能力を経験値で乗り超えており、非能率的だと考えられるので、経営に関する知識やスキルを身につけさせるためのセミナーやトレーニングを行い、外的キャリアに関するキャリア形成を支援するために必要。

 

問4 事例相談者Bの相談者Aへの対応について「問題」だと思うことは何か。事例に基づいて記述せよ。(25点)

 

Bは予算管理について、誰でも通る道だと自身の価値観で共有し、自分の経験から苦手だと自己開示して、家庭の予算に興味を示すことで、Aの負担や不安を受け止めようとしている。しかし、Aのキャリア形成に伴う管理職かスペシャリストかのキャリア選択において、苦悩や悩みを引き起こしている問題を受け入れていない。そのため、Bはキャリアコンサルタントしての傾聴の態度が不足しているので、予約がキャンセルとなり、Aとの信頼関係が築けていない。また、Aの「ずっとプレイヤーとして働いて、スペシャリストでやっていければと思います。」というキャリアプランを吟味していないため、主体的な意思決定の支援ができていない。

 

問5 問4で挙げた事例相談者Bの「問題」だと思うことの中から優先するものを取り上げ、具体的な指導方法を記述せよ。(25点)

 

Bは自身の準拠枠を外し、Aに寄り添い内面の感情や欲求を理解できるようになることが必要である。事例を振り返り、予約がキャンセルになったことで、Aとの関係性は築けていたか確認する。Aのことを考え方に余裕がないとか、難しく考えすぎているという印象を持ったことから、何に焦点をあて、何を明確化して、何を意識させようとしたのか聴き、それがAの来談目的に適合し共有できていたのか検証することで、見立ての違いに気づかせる。その原因が、Bの価値観で面談を進めたことにあり、Aの管理職を目指すことの負担や不安、スペシャリストへの希望を理解できるように、ロールプレイを行って受容・共感の態度を学ばせ指導する。

 

これから、自分の解答例を皆さんと検証し、新しい出題形式に対する理解を深めていきたいと考えています。