「1級キャリアコンサルティング技能検定試験の試験科目及びその範囲並びにその細目」について、気づいたことを述べてみます。

 

「相談過程の総括」の2019年度以前と2020年度以降を比べてみましょう。

 

2019年度は、

⑧相談過程の総括

適性な時期に相談を終了することに関し、次の事項について安定的かつ適切な支援ができること、及び相談過程の総括について、事例相談者を指導することができること。

1)適正な時期における相談の終了

キャリアコンサルティングの成果や目標達成具合を勘案し、適正と判断できる時点において、事例相談を終了することを事例相談者に伝えて、納得を得た上で、事例相談を終了することができること。

2)相談過程の評価

事例相談者自身が目標の達成度や能力の発揮度について自己評価できるように支援することができること。

また、事例指導者自身が相談支援の過程と結果について自己評価することができること。

 

2020年度は、

⑧相談過程の総括

①キャリアコンサルティングの成果や目標達成具合を勘案し、適正だと判断できる時点において、相談を終了することを相談者に伝えて納得を得た上で相談を終了することができるよう、事例相談者を指導できること。

相談者自身が目標の達成度や能力の発揮度について自己評価できるように支援すること、またキャリアコンサルタント自身が相談支援の過程と結果について自己評価することができるよう、事例相談者を指導することができること。

 

2つを比較すると、

2019年度は、事例相談者が事例指導者に相談する事例相談についての「事例相談の終了」、「事例相談者自身の自己評価」と「事例指導者の自己評価」を総括することが書かれています。

 

一方、2020年度は、相談者が事例相談者に相談する相談についての「相談の終了」、「相談者自身の自己評価」と「キャリアコンサルタント自身の自己評価」を総括することに変わっています。

 

大きな違いは、「事例相談」が「相談」に変わっていることで、このことが意味していることは、論述試験の必須問題の設問と照合すれば明確になります。

 

必須問題では、相談者の問題の解決支援が問われています。

 

また、選択問題では、事例相談者の問題の育成指導が問われています。

 

この2つの解決が面接試験では必要なのです。

 

個人指導をさせていただいていますが、皆さんは相談者の問題の解決を忘れて、事例相談者の技法の使い方や対応の仕方ばかりに焦点化して、その延長線上で概念化することが事例指導と考えているようです。

 

前半の事例検討では事例解決が目標です。

 

そして、後半は育成指導が目標です。

 

この違いを面接試験で明確にすることが必要なのです。

 

メリハリをはっきりすることで、審査員にどこをやっているのだということをアピールすることができます。

 

面接のロールプレイで堂々巡りをして悩んでいる方は、目標の違いを意識して展開してみてください。

 

きっと、モヤモヤしていたものが晴れると思います。