ラフマニノフのコンチェルトを聴き比べる企画をやっている時にとてもいい印象を残したVX Pro+を聴いていてふと思ったんですよ。
 

VX Proがあまりにも気になりすぎる!

 

VX Pro+がこんなにいいなら、その元になったVX Proはその値段なりの音を聞かせてくれるんじゃないのかって。

 

いつか買おうとは思っていたのですが、いつまで経っても5000円を切らないので(5000円以上のは買わないようにしてた)我慢していたVX Pro...

 

 

我慢できなかったんだよねぇ( ´ー`)y-~~

 

ブラックフライデー等の大型セールを待てずに、6390円という中途半端な値段で注文してしまいました。初の5000円超え。ちなみにAmazonだとこんな感じなのでまぁ、少しは安く買えたのでいいんです!

 

 

VX ProとVX Pro+は、筐体が金属製と樹脂製、ドライバがProは10mm carbon nanotube (CNT) dual-magnet dynamic driverでPro+は10mm beryllium-plated diaphragm unitと結構異なります。カーボンナノチューブとかベリリウムとか詳しくはわかりませんが、ドライバの差が音の差になることはよくわかっているので聴くのが楽しみです。

 

というわけで届いたものがこちら。TRNっていつもこの白いプチプチね。

 

 

まさかの深夜の0:30に玄関に到着。置き配が基本なので深夜でも安心。

エスポ便を配達している人ってどういう人なんですかね。バイトなのかな、それとも正社員なのかな。何にしてもお疲れ様でございます。深夜でも我が家は大歓迎です。

・開けてみた

 

Conchと同じような大きな立派な箱でした。高級って感じ。ケーブルが入っているであろうConchの時も付いてきたケースもみえます。

 

 

うん、高そう!今回、シルバーではなくネイビーを選んでみたんですが、とても高級感のあるいい塗装がされています。取りだしてみると冷たくて重く、良いものの気配がプンプンします。

 

 

ケースの中にはケーブルと3.5mmアンバランス、4.4mmバランスのアダプターが入っていました。ケーブルは軽くてちょっと頼りなさげな感じ。

 

 

TRNのTNケーブルと見た目が似ていたので比べてみたんですが、TNより細いし絡まりやすいしちょっと好きじゃないケーブルですね、これ。最初だけ使ってRedチェーンに替えましょうかね。

 

 

んで、取り出した本体。うん、とても綺麗。Pro+と違ってノズルまで金属みたいで、触るとひんやりしてます。Conchみたいに耳に入れたら冷たくて気持ちやつに違いない。(実際そうでした)

 

 

Pro+と並べて比べてみたら、繋ぎ目の位置だとか、小さな穴の位置だとかが全然違うことが判明。金型一緒なのかと思ったら違うみたいですね。Pro+も結構高級感あっていいなと思ってましたが、やはり金属製は凝縮感あってオタク心をくすぐります。

 

 

付属品はこんな感じで超豪華セットです。Conchがケーブルに力を入れたのとは違ってイヤーピースがシリコンの赤と黒のが3サイズ、T-ear TipsがM一つ、そしてメモリーフォームのが一つ。(シリコンイヤーチップは高周波とベースって説明があったんですがどっちがどっちなんですかね。体感赤い方がベースなのではと思うんですけど)

 

 

日中韓英語で書かれた説明書も入っていました。エージングの仕方とか書いてあってびっくり。説明書によると、100から500時間かけてエージングして本来の性能が発揮されるみたい。うん、待ってられないので2時間の簡易エージングしただけですごめんなさい。

・肝心の音色はどう?

前置きが長くなってしまいましたがさっそく聞いてみました。

ファーストインプレッションはVX Pro+と比べると中音の余計な響きがすることもなく、さらにスッキリとしていてさらに深みがある響きがするイヤフォンだなって感じ。これは当たりだとちょっとむふむふしちゃいました。

 

Pro+と似たような解像感が高く感じるクリアで明るい中高音で、VX Pro+を聴いたことがなかったら感動して飛び上がるくらいとても気持ちいい響きなんだけど、体験済みだったので結構冷静に聞けました。

似ているんですが、Pro+と比べると低音が多くて重量感あって重い感じ。重くてもったりしているので突き抜けた爽快感というのはPro+よりも少なめ。でも、全体的にしっとりした落ち着いた音色なのでなんていうのか大人な、音に高級感がある感じ。

このもったり感はエージングが足りないせいもあるのかもと初日はエージングプログラムをかけながら終了。

 

 

次の日、色々試さないとなぁと付属していたイヤーピースを交換してみたら驚きの発見が。

今まで高解像度イヤフォンにはT-ear Tipsしか勝たん!とそればかり使っていたのですが、普通のシリコンの赤いやつに替えてみたら低音のもったり感が消えてさらに全体的にクリアな感じになってめちゃくちゃ良くなりました。もうなにがいいのかよくわからなくなってきたんですが、今回付属したイヤーピースの中ではシリコン赤軸が一番気持ちがいい音がしたのでしばらくはこれで使ってみることに。

 

赤軸に替えて様々な楽曲を聴いてみたのですが、どのジャンルでも無難にそれも高水準でさばいてくれるので文句のつけようがない、そんなイヤフォンだなって思っちゃいました。めちゃくちゃ私好みの抜けが良くて空間が広くて、重厚感あって、耳に刺さらなくて、低音に量感があって、と全部いい感じ。

 

PRXと比べてもその優位性というか、私の好みに刺さるポイントは負けていなくて、クラシックで絶賛したあの潤艶ピアノの音色がこのVX Proも表現できている上に低音に量感があってよりゴージャスに聞こえるのでこちらの方が聴いていて楽しく、正直言って勝ち。

 

ポップスを鳴らしても、低音から中音の間の他のイヤフォンだとちょっと繋がりがわるくて凹んで聞こえるところも全部埋めている感じで全体的に足りないところがないし全部クリアなので情報量の多い曲も全部しっかり聞こえる感じ。あの低音ドコドコで再生が難しいX JAPANでさえベースもドラムもヴォーカルも全部バランス良く難なく気持ちよく再生しちゃった。

 

足りないと感じさせない豊かな低音、凹んで聞こえない中音、痛いと思わせない高音とどの音域もバランス良く鳴らしてくれるので何を聴いても気持ちよく聴ける。気持ちいいんだけど、低音が強めでフラットとは言えないので、モニターイヤフォンではなくリスニングイヤフォンなのかなって感じ。

解像感よく抜けの良いイヤフォンってどうしても乾いた面白くない音になりがちなんだけどこれはしっとりしていて気持ちがいい。解像感としっとり艶やかが共存していて高級なんだなってとても良く感じる音です。

 

そうやって聞き込んでいくうちに気がついてしまったことが。

・つまりそういうことね

安くてもいいものがあるじゃん?!と色々楽しみながら買ってきたんだけど、結局自分好みの音がするイヤフォンってそれなりの値段がする高いやつになるんだってわからせられちゃった。今まで買ってきたどれよりもいいよ、これ。

値段によるバイアスがかかっている可能性もあるんだけど、安くてもいい音がする、そういったものとはちょっと次元が違う。ちゃんと高い音がする。

 

値段でこれだけ差が出るということがわかってしまった今、これ以上を求めるのはどうだろうって思っちゃった。これ以上を求めるとなるとそれなりの値段がするものになるだろうし、満足するイヤフォンを見つけたのでもういいかなって。

 

5000円以下という縛りのままでいた方がより長く楽しめたのかな。上を見たら際限ないことはスピーカーを選ぶ時にわかっていたのでつけた縛りだったんだけどやっちゃいましたね、高いの買っちゃったよ。

 

VX Proを聴いた後に他のを聴いてももうダメ。唯一PRX、PR3は低音が普通だしVX Pro系みたいに演出がかったものがないモニターライクな響きなのでこれからも使っていこうと思えるんだけど、他はもうどれを聴いても劣って聞こえちゃう。ZAXなんて今聴くとなんだこのバランスはと驚愕するレベル。

・買わない方が幸せだった?

いい音がするものを手に入れたのに何凹んでるんだって話なんですが、この気持ちわかりますかね。安いのに美味しいと評判のケーキをいろいろな所で買うのを楽しんでいたのだけれど、たまの贅沢だと1万円のケーキを買ったらやっぱり次元が違ってもうやすいのでは満足できなくなっちゃったと言い換えればわかりやすいですかね。ケーキは食べたらなくなっちゃうので安いのを妥協して買ってもいいけどイヤフォンはなくならないので買ったら終わりなんです。

 

これからどうやって楽しんでいけばいいのか考えないと。一万円クラスにステップアップするのか、安くてもいい音がするのを探し続けるのか。

この際だからKZ、TRN以外にも手を出してみるのもいいかもしれない。そうだ、そうしよう。新しい世界に冒険するのだ!(とはいえ、それらは結局高いんですけどね)

 

と、凹んだ気持ちに活をいれて今回は終わり。いやぁ、参りましたね。すっごくいいものを買ったのに萎えちゃった。

 

わかるよ~、わかってあげられるよ~って方はいいねよろしくです。