今日は久々に演技談義をすこし。


好きな浅田次郎さんの

BSジャパンのテレビドラマ

『浅田次郎 プリズンホテル』が

始まりましたね。


このシンシン・ステーキ焼いて

食べながら見たんですが…

(こっそり料理自慢してます!)

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このドラマ注目です。

『ごくせん』に通じる世界観と

軽妙なテンポ、面白かったです!


編集のカット割りと

音響デザイン、脚本が

特に秀逸なんだなと感じました。


見ていて、誇張とリアリティーの

具合をちゃんと意識する重要さを

役者として、再認識してました。


ご存知の通り、

能狂言は誇張された世界です。

あの4本の柱に囲まれた三間四方の

能舞台という空間で最も最適な

表現方法として省略と誇張という

世界的にも珍しい技法が

生まれたのではないかと

僕は思っています。


今回の『浅田次郎 プリズンホテル』も

誇張された世界観を

見事に表現してるように思います。


リアリティーを追求する作品でなく

誇張された作品内では

それに準じた映像手法と

演技が必要とされる。

役者としてはそこを意識することが

非常に大事であると思っています。


誇張かリアリティーか

そこに統一感がないと

全体としてチグハグな作品に

なってしまいます。


例えば、

能狂言と同じく古典の言語を

使うシェークスピアは

誇張された世界です。

これを、セリフはそのままで

リアリティーを追求した映像で

作り上げたレイフ・ファインズの

『英雄の証明』(原題Coriolanus)

とても整合性がとれていない

印象を受けてしました。


演技をする時、

必要なのは演技力だけではなく、

その作品の色合いや世界観を

正しく理解してそこに合わせる、

もしくは敢えてハズすぐらいの

冷静な判断力と表現力が

必要である。


これは、ロンドンの演劇学校で

シェークスピアを学んだだけでなく、

ヨーロッパの不条理劇や

シェークスピア以前の宗教劇、

パントマイムなどを学んだ上で、

自分の能狂言での経験と

照らし合わせて導いた独自の感覚です。

(ちょっと自慢)


『浅田次郎 プリズンホテル』は

テレビ東京系で毎週土曜日です!