見立て遊びができる素材の用意の必要性



 受験でお預かりしている中で、「遊び」の展開が少ない・・・と感じることが多い。


早稲田実業学校初等部での何年間かの出題に、


「ここにある物を使って皆で遊びましょう」・・・がある。



 短時間の中で、初めての友達と「遊ぶ」のは、なかなか難しい!のが現実のところかもしれ


ない。皆で顔を合わせて、「どうする? どうする?」と言っているうちに、制限時間になって


しまって、「遊び」を決められるどころか、一言も発することもできないでその場が終わり!・・・


なんてことが多いにあることは、 普段の授業からも感じられることだ。



 おままごとのプラスチックの果物や、野菜、ケーキ、パン、車や電車・・・etc. などは、それ以外


の「何か」としては使いにくい。 色も形もきれいで魅力的なだけに、ましてや、“本物そっくり”な


だけに、それ以外の遊びに使う発想が多分、出てこない。



 一方、 紙、1枚、紐1本、布切れ1枚、丸い形状の物一つ、長四角の棒1本・・・しか、ない時、


お子様達は、 その素材をいろいろに見立てて遊びを工夫している。



 知育のおもちゃもいろいろあって、それぞれが購入したくなるような素敵な物が多いが、


想像して遊ぶことを常日頃から経験していらっしゃるお子様は、早稲田の試験のような


形態に強いはずだ。



 お手玉、とても良い素材だと思う。


 ①お手玉を上に投げて取る


 ②お手玉の赤(右手にある)、白(左手にある)を 上にあげて右左を交換する


 ③的当てをする


 ④ボールに見立てて、キャッチボールをする


 ⑤積み上げて積み木の代わりにする


  ・・・のような動的な遊びから、


 ①おまんじゅうに見立てる


 ②ハンバーグに見立てる


 ③おにぎりに見立てる


 ④お団子に見立てる


 ⑤車1台、電車1台、飛行機1台・・・、


  ・・・どのようにも膨らますことができる。



 ご家庭でも、形あるおもちゃを、一旦箱にしまって!!???


“遊び”を ある物から自分で想像して作りだすことができるように、


工夫して遊ぶことのできる創造性を養うために、


見立て遊びができるような素材をお揃えになって、


お子様がその気になった時に、手を伸ばせる所に整理しておかれるときっと、


お子様は 「何もなくても遊べる」ようになられるかもしれません。

 


 早稲田実業学校初等部の入試に出る“遊び”は、 ”学校側のねらい”は、


そんなところにあり!?・・・と思います。


S. Y