片倉館と聖心女子大学パレスの関係は?
下諏訪の国重要文化財指定の「片倉館」は、
明治6年(1873)に岡谷で製糸業を興した、二代目片倉兼太郎が、大正末期にヨーロッパ、
北米などへの視察旅行で福祉施設が充実していることに感銘を受け、地元の諏訪地方にも、
そのような施設を作りたいと考え、片倉同族の有志より現在にすると数十億円ともいわれる
基金をあつめ、温泉大浴場や、サウナなどを備えた文化福祉施設を建築した。 昭和3年に
「片倉館」が諏訪湖畔に完成し、ほぼそのままの姿で現在に至っています。(パンフレットから)
「片倉館」とその敷地内にある「諏訪市美術館」は、日曜日に泊った「御宿ぬのはん」の
二軒先にあった。 実は、 新しく家族になった家が、 この国重要文化財指定の「片倉館」に
関係していて、国重要文化財指定の建物を損なわないように維持することの大変さを語って
くれていた。
「片倉館」を設計したのは、東京帝国大学造形学科を卒業し、多くの官庁建築を手がけた、
森山松之助で、日本での現存の代表作として、旧久邇宮邸 (現聖心女子大学パレス)、
新宿御苑台湾閣などがあるそうだが・・・。
映画の古代ローマ時代の浴場をテーマにした「テルマエ・ロマエ」では、「片倉館」の大理石
作りの一度に100人が入れるローマ時代の造りに似せた大浴場が撮影地の候補に上がった
そうだが、 結局、「文化財指定」ということで、撮影の許可が下りなかった…というエピソードも
聞いた。
とにかく、昔の日本人は凄い人がいたものだが、それを現代で受け継ぐ子孫の方々や関係者も
なかなかのご苦労があるようだ。
S. Y.