こんにちは。
長崎県諫早市にある
いさはやたんぽぽ助産院、助産師山口亜矢子です。
と~っても久しぶりに投稿します(^^;
今回は母乳が出すぎて困ってしまう時の話です。
母乳が足りていないのでは?と多くのお母さんは悩むことが多いですが、実は出すぎるおっぱいで悩んでいるお母さんも珍しくありません。
出すぎて困っていることを、他の人に相談しても「よく出るのはいいね~」などと言われて、つらさがわかってもらえないということもよくあります。
お母さんの症状としては
・おっぱいがほとんどいつも張っているように感じ、楽にならない
・乳房の奥で差し込むような痛みがある
・授乳中に赤ちゃんがおっぱいから口を離すと、母乳が飛び散る
・おっぱいがたまった状態になりやすいため、乳腺炎になりやすい
などがあります。
赤ちゃんの症状としては
・いつもぐずったり、うなったりして苦しそうである
・授乳中、むせたり、咳きこんだりすることがある
・授乳後、頻回にげっぷやおならをし、大量に吐き戻すことが多い
といったことがあります。ほかにもいろいろありますが・・・
なぜ、出過ぎてしまうようになってしまうのでしょうか??
もともとよく出る体質というのは、確かにあると思います。
ですが、、出やすくする原因もあったりします。
おっぱいの出る量は、赤ちゃんが乳房からどれだけ飲みとったかで決まるといわれています。
つまりおっぱいが、空になるくらいまで頻回に飲むと母乳もその飲みとった量だけ作ろうという働きがあります。
なので、空にしようと授乳や搾乳をがんばりすぎてしまうと、またおっぱいも足りなかったんだと一生懸命作ろうとするようになります。
おっぱいが出すぎてしまう主な原因としては
・短時間で両方の授乳を切り替えて行う
・授乳後、乳房を空にするために搾乳を行う
・授乳前に前搾りを行っている
・まれにお母さんの病気や飲んでいる薬の影響もあります
ちなみに、母乳を飲みとらずに、または飲ませないでおっぱいが溜まった状態が長時間続くと、乳汁産生抑制因子の濃度が高くなりおっぱいの産生が抑制されると言われています。
おっぱいがよく出ていて赤ちゃんの体重が急激に増えていても、お母さんに不快感や痛みがなく、赤ちゃんにも苦痛がなければ何も心配することはありません。
では、出すぎてしまう時にはどうすればいいか。
①頻回授乳になっているときは、赤ちゃんが泣いてもすぐに授乳をしない。
たくさん出ていることが多いので.母乳量が足りていないことは考えにくいです。
どちらかと言えばお腹がいっぱいで苦しくなっていることが多いのですが、泣き止んでもらうためにお母さんもついおっぱいをあげる。
赤ちゃんもつい吸っちゃう。でもお腹はいっぱいで吐き戻して泣く。また吸わせるの繰り返しになっていることがあります。
泣いている理由は、お腹がすいている以外にもいろいろあります。
つい、泣いちゃうと「おっぱい」ってなりますが、2~3時間待ってみるようにしてみてもいいかもしれません。
②搾乳をできるだけ控える
とても張りやすいとおっぱいも痛くなってくるのでつい搾乳をしてしまいますが、この搾乳が分泌を増やす原因になっていることがあります。
出すぎて困っているときは搾乳しすぎないのが分泌を抑えるポイントになります。
ただ、今まで搾乳をしっかり行っていたお母さんが急にストップしたら、おっぱいもびっくりして乳腺炎になりかねないです。
なので、少しずつ減らしてみましょう。回数を少しずつ減らしていく、搾る量を少しずつ減らしていくです。
搾乳もおっぱいが空になるまでと言ったりしますが、母乳量を増やしたい方はそれもOKですが、出すぎる方にはNGです。楽になったかな~くらいがやめ時でしょう。
③やや母乳を溜め気味にしておく
先ほど書いたように、母乳が溜まった状態が続くと分泌抑制が働き始めます。
なのでスッキリするまで授乳や搾乳をしないということも有効です。
片方だけ授乳して、もう片方は飲ませずに溜めておくという方法もあります。
が、個人的には5~6時間も片方を溜めた状態にすると、乳腺炎の心配があるのと、片方の授乳でまかなえる量の母乳を産生する能力?がおっぱいにできてしまうのではという考えから積極的には勧めていません。
赤ちゃんの授乳した後、スッキリしなくても何だか溜まってるかな~程度なら様子を見てみるのもいいと思います。
よく出ているお母さんの場合、最初は赤ちゃんの体重が増えすぎと言われていたのに、だんだん体重の増えが悪くなってきたということもあります。
よく出ていいわね…と言われるけれども、それだけではない大変さがあります。
困ったときは助産師に相談してみてくださいね!
では、また!
PS.1年ぶりの投稿…書きためてはそのままにしておいたりして、やっとここまでこぎつけた(ホッ)