雰囲気は変わっているが、見覚えのあるその顔
スンジョ:“…もしかして 、ユン・テスか?”
テス:“当たり!懐かしいなぁ。
おまえなんでこんなとこにいるんだ?”
スンジョ:“お前こそ、どうしてここに?”
テス:“俺はこの学校の教師をしてるんだ。選抜クラスを担当してる”
(ヒソヒソ)母親A:“選抜クラスのユン先生よ”
(ヒソヒソ)母親B:“どうして選抜クラスの先生がこちらに?”
(ヒソヒソ)母親C:“知らないわよ。ペクさんのお父様とお知り合いみたいだし、どういうご関係なのかしら?”
(ヒソヒソ)母親D:“選抜クラスなんて興味ないと仰ってたのに、嘘だったのね。”
母親達のヒソヒソ話が聞こえるが相手にせず、俺はユン・テスと 話を続けた。
スンジョ:“そうか、俺は娘の授業参観だったんだ。”
テス:“娘?おまえ娘がいるのか?っていうか幾つで結婚したんだよ”
スンジョ:“学生結婚だったからな。娘は一年生だ
テス:“一年?もしかしてお前の娘ってペク・スンハか?”
スンジョ:“ああ。”
テス:“じゃあ教師泣かせの天才ってのはおまえの娘か”
スンジョ:“どういうことだ?”
テス:“職員室で噂になってるんだよ。今年の一年にはすごいのがいるって。”
“なんでも他の教科は満点なのに、唯一社会だけは満点じゃない。それどころか赤点に近いとか。
担当教師が話を聞いたら、
つまらないから。って断言したそうじゃないか。”
“興味をひかれてね、どんな子か見に来たんだが、そうか、おまえの子か、”
母親A:“つまらないから勉強しないなんてふざけてますわ”
テス:“そうでしょうか?”
“つまらないから点数が低いなら、誰かが面白さを教えてやればいいんです。”
“他がすべて満点ってことは、実力はあるんだ。興味さえ持てば伸びしろは半端ないってことですよ”
“成績の為にただただ勉強してるよりもずっといいと思いますがね。”
母親s:“……。”
そう、こいつは穏やかな外見をしているが、歯に衣着せぬ物言いで、いつも周囲を驚かしていた。
~回想~
ユン・テスは中学の同級生で、成績は常に2位だったが、3位との差は歴然だった。
変わり者で、俺が他人に興味がないのを見抜いていながら何かと俺に絡んできて、そのくせ下心を持って近づく人間はバッサリ切り捨てる。
裏表の無い奴で、言いたい放題。
そんな所も気に入って、自然とつるむようになった。
俺の数少ない友人と言える存在。
中学卒業と同時に両親とともにアメリカに渡ったから、その後どうなったかは知らなかったが、まさか、こんなとこで会うなんてな。
~回想終了~
自分より年下の若造の言葉に誰1人として反論しないのは、それだけ《選抜クラスの担任》という肩書きがこの学校において重要視されている証拠なのだろう。
テス:“その才能を活かすも殺すも教える人間の腕次第。
まあ、だからこそ教師泣かせではあるんだが、教師ならその才能を自分の手で育ててみたいって思うのは当然だろ?”
“それに、秀才なのに奢らず、他のクラスの人間とも分け隔てなく接するし、人がいやがる仕事だって進んでするって話じゃないか。”
“おまえの娘なら天才ってのも頷けるし、そんな魅力的な人材なら是非うちのクラスに欲しいね。”
母親B:“あの~、ユン先生?ペク・スンハさんのお父様とはどういうご関係で?”
テス:“ただの中学の同級生です。まぁコイツはIQ200なんて超がつくほどの天才でしたから、俺が適うことは無かったですけどね。”
母親s:“IQ200…”
スンジョ:“昔の話だ。今はただの小児科医だ。”
テス:“お前が医者?しかも小児科。
中学のおまえからじゃ想像もつかないな。(笑)”
“まぁ、でもお前が医者なら安心か、うちの学生達に何かあったときはお前に頼むわ。”
予鈴の音が聞こえる。
テス:“もうすぐ授業が始まっちまう。それじゃあ、俺行くわ。またな。ペク・スンジョ。”
スンジョ:“あぁ。”
まだ廊下で談笑してる生徒たちを急かしながら去っていくその後 ろ姿に、あのテスが本当に教師になったんだと感慨深く、自分達に流れた十数年という年月の長さを改めて感じた。
to be continue…