〈愛の言葉〉
ーいつもと変わらない夜ー
《2人の部屋》
いつものように、ベッドに座り本を読むスンジョ
シャワーを終え、部屋に帰ってきたハニ。
髪を拭きながらベッドに腰掛けスンジョに話しかける。
ハニ:“スンジョくんはすごいよね、いっつも難しそうな本読んで。それ医学書?”
スンジョ:“いや、外国のノンフィクション”
ハニ:“へぇ~。どこの言葉?
あたしには呪文にしか見えないよ”
スンジョ:フッ(笑)
ハニ:“外国の言葉をそのままで読めるなんて、さすがスンジョくん♡
そんなすごい人が旦那様なんて、あたし幸せものだよね♡”
“大好きよ♡スンジョくん♡”
恥ずかしげもなく好きだと言うハニ
呪文のように繰り返し聞かされたその言葉。
鬱陶しくてたまらなかったその言葉が、いまの俺を支えてる。
おまえの好きだと言う言葉に、俺の心はいつも満たされ、
おまえの笑顔が俺に力をくれる。
だけど俺だってお前を愛してる。
だから、ホントは、おまえがなんて返して欲しいのかだってわかってる。
わかった上で俺はお前にこう言うんだ。
スンジョ:“知ってる”
ハニ:“もぅ!そこは「俺も」って言ってくれなくちゃ。”
スンジョ:“まったく、ドラマの見過ぎだ。
おまえもたまには本でも読んでみたらどうだ?”
ハニ:“本くらい読んでるわよ!”
スンジョ:“どうせ漫画か雑誌だろ。”
ハニ:“そ、そんなことない。(図星)”
スンジョ:“図星って顔に書いてあるぞ”
ハニ:“え?!”
“そんなわけないでしょ。もぅ!失礼しちゃう!”
俺のからかいに気付き、怒って顔を隠すように布団に潜り込むハニ
ククク(笑)
予想通りのこの反応
これだからおまえをからかうのはやめられない。
だけどオ・ハニは時々俺の予想を上回ることをして俺を驚かせるんだ。
今日だってー
少しの間大人しくしていたかと思えば、布団からひょっこり顔を出して、俺をジッと見てる。
もう終盤だというのに、視線が気になり集中できない。
スンジョ:“ジロジロ見るな!”
“言いたいことがあるならハッキリ言え!”
ハニ:“そんな言い方しなくても。
もぅ!口が悪いんだから”
俺の冷たい言葉になんか慣れたもので、ふくれっ面はしているものの、さして気にしてない様子でモゾモゾと布団から出てくるハニ
スンジョ:“なんだ。(不機嫌)”
ハニ:“ねぇ、スンジョくん、あたしのこと好き?”
スンジョ:?!
突然の言葉に驚きを隠せなかった。
スンジョ:“なんだ突然?”
ハニ:“だって、好きって言うのいつもあたしばっかりなんだもん”
“たまにはスンジョくんにも言って欲しいの!”
“ねぇ、好き?”
首を傾げ、キラキラした目でこっちを見てる。
俺がその目に弱いって知っててやってるのか?
スンジョ:“…嫌なら一緒にいない。”
“そんなのわざわざ言う必要ないだろ”
ハニ:“わかってないなぁ。”
“女の子は言葉が欲しいの!”
“愛する人からもらえる言葉は特別なんだから♡”
(女の子っていう歳か。)
ハニ:“ねぇ、お願い♡
一回でいいから!ね♡”
(まったく、何回目のお願いだよ)
こいつのお願いに負けて、今までどれだけ自分を曲げてきたことか…
だけど、そのお願いを無碍にすることなんか出来るはずもなく、気づけばあいつの思うままに操られている気さえする。
この俺を振り回すなんて、とんだ悪女だな
スンジョ:“…ったく、仕方ないな。”
“「Mi piace di daft」
「Non posso vivere senza di te in 」”
ハニ:“え?!
なに?なんて言ったの?”
スンジョ:“一回でいいって言ったろ?”
ハニ:“外国語なんてずるい!
なんて言ったかわからないじゃない!
今の英語?”
スンジョ:“イタリア語だ。 ”
ハニ:“そんなのもっとわかるわけないじゃない!(怒)”
ふてくされるハニ
スンジョ:“仕方ないな。言葉で言ってわからないなら、身体に教え込むしかないよな”
そのままハニを押し倒し、その唇を塞いだ。
期待を裏切って悪いな。ハニ。
だけど韓国語でなんて一言も言わなかっただろ?
英語だけは必死に勉強したおまえだから、英語で言うと、聞き取られる可能性があるからな。
この俺が嫁の言いなりなんて、天下のペクスンジョの名折れだろ?
だが嘘は言ってないぞ。
おまえが欲しがっていた愛の言葉。
嘘偽りのない俺の本心。
~狂おしいほど愛してる
君なしでは生きていけない~
ハニ:“んっ!”
“もぅ、そうやっていつも自分のペースに持って行こうとするんだから!ちゃんと言ってくれるまでダメ!”
おまえに愛を伝えようと、優しく滑り込んでいく俺の手に気付くと、身を委ねるどころか俺を押し返し、お預けをくらわす俺の嫁。
この状況でお預けなんて正気か?
ったく、わかってないのはどっちだよ!(怒)
end.