{現在}
“!!” (ここは…)
ついた場所は卒業式の謝恩会会場だった
タクシーを降りると急かすように俺の腕を引っ張り進んでいくハニ。
スンジョ:“おい、ハニ…”
ハニ:“こっちこっち♡”
酔っぱらってるハニに腕を引かれながら、俺たちはあの路地裏へ向かう…
店の灯りはとうに消え、路地裏は月明かりに照らし出されていた。
ハニ:“ふふっ♡あたし達の思い出の場所♡”
スンジョ:“思い出って、あんなの事故みたいなものだろ。”
ハニ:“ひどい!初めてスンジョくんがkissしてくれて、すごくドキドキしたのに…。
もぅ、スンジョくんなんてキライ!”
“…でも大好き♡”
そっぽ向いてふてくされたかと思うと、すぐに抱きつくハニ
スンジョ:“嫌いって言ったり、好きって言ったり、忙しい奴。”
ハニ:“ふふっ♡いいんだも~ん♪”
…あの頃の俺は、まだ自分の気持ちもわからずに、ただ、お前が離れていくかもしれないと思うと、腹が立って、引き留めたくて…
そんな幼稚な心でしたkissなのに、大切な思い出だと言ってくれる。
そんなおまえが俺の妻であることがありがたくて、愛しさがこみ上げてくる。
ハニ:“あの頃のあたしは、したいことが見つかってなくて、ただスンジョくんが好きで、スンジョくんの傍にいたかった。
何度も傷ついて、何度も諦めようとしたけど、その度にも~っとスンジョくんを好きになって…。
自分の想いが報われる日が来るなんて、想像もしてなかった。
でも、スンジョくんがあたしを選んでくれて、スンジョくんのおかげで看護師っていう夢が出来て、その夢を叶えることも出来て、今、本当に幸せなの♡”
“だから、あの頃のあたしに、スンジョくんを好きになって良かった。今はこんなに幸せだよ。って見せてあげたかったの♡。”
そう言って笑うハニの顔は自信に溢れ、輝いていた。
心無い言葉や態度で、どれほどお前を傷つけたかわからないのに、俺のおかげで今幸せだと言ってくれるハニ。
今のお前があるのは、すべてお前自身が頑張ったからなのに。
俺のほうこそ、お前に出逢って、たくさんの幸せをもらっている。
お前が俺を見つけてくれてたから、俺は変われた。
あの雨の日、お前を引き止めて…お前を失わずにすんで、本当に良かった。
今、こうしてお前が隣にいてくれる奇跡に感謝せずにいられない。
ハニ:“ねぇ、スンジョくん。”
スンジョ:“何だ?”
ハニ:“kissして?”
酔っ払ってるお前から出た言葉に、一瞬驚いたが、その願いを拒むことなんて俺にはできなかった。
(あの時のkissの記憶を塗り替えられたら…)
ハニの腕をつかむと、あの時のように、ハニを壁に追いやった。
逃げられないよう俺の手を壁につき、少しずつ顔を近づけていく。
唇が触れそうなほど顔を近づけて、ハニを見つめると、酔っているからか、はたまた俺の意図に気づいたからか、ハニはクスクス笑いだす
ハニ:“フフフッ♡(笑)”
スンジョ:“なんだよ?”
お前の顔を覗き込む。
ハニ:“ううん、なんでも♡”
口では否定しながらも、やっぱり笑ってる
せっかく雰囲気だそうとしてるのに、ぶち壊すなよ。
スンジョ:“笑うんならやめるぞ。”
そういいながら、顔をはなしてみせる
ハニ:“やだやだ!もう笑わないから、お願い♡”
俺の服をつかみ、引き留めるハニ
スンジョ:“…ったく。”
口ではそういいながら、ハニをからかうことで機嫌をよくした俺は、再びミッションに取りかかる。
見つめ合い、近づいていく互いの顔。
瞳を閉じれば、引き寄せられるように重なり合う唇。
あの夜と同じ光景。
なのに、あの時とは全く違う。
苛立ちも不安もなくて、愛しいお前に感謝と心からの愛を伝えるための、静かで、優しい甘いkiss。
時が止まり、まるで一枚の絵のように、美しい夜に溶けこんでいく俺たちの愛。
唇を離すと、恥ずかしそうに、でも嬉しそうに笑うハニ。
月明かりに照らされたお前は綺麗で、まるで俺のために遣わされた女神のように思えた。
ハニ:“フフフッ(笑)ありがとう、スンジョくん♡”
“だぁ~い好き♡”
俺に抱きつき嬉しそうに笑うハニ
その笑顔をみてると、あの時の幼稚な俺を許してくれてるような気がして、俺の心も救われた。
〈あの頃傷つけた分、一生かけてお前を幸せにするよ。〉
お前と初めてkissをしたこの場所に、俺は誓いをたてた。
-翌朝-
ハニ:“スンジョくん!スンジョくん!”
スンジョ:“うるさい…まだ6時じゃないか。寝てろ。”
ハニ:“ねぇ、昨日どうやって帰ってきたの?あたし、どうしても行きたいとこあったのに!”
スンジョ:“は ?!”
ハニ:“レストランでワイン飲んだとこまでは覚えてるんだけど、そこからの記憶が曖昧で…”
スンジョ:“……”
…まったく、
お前らしいよ。
スンジョ:“酔って暴れて大変だった。”
ハニ:“ま、まさか?!そんなことするはずないじゃない(焦)”
ククッ
今のお前からじゃ、昨日の神々しさをまとった美しい姿は想像もつかないな。
スンジョ:“あんなおまえ、初めて見たよ。”
ハニ:“え!?あたし何かした??”
スンジョ:“さぁな。”
ハニ:“え~!!教えてよ~。”
スンジョ:“やだね。気になるなら自力で思い出すんだな。”
ハニ:“え~??なに~?何したのあたし~(泣)スンジョく~ん”
いいよ。お前があの時間を覚えていなくても、俺は決して忘れない。
お前がくれた言葉も、
お前の姿も、
あのkissも、
あの場所でした誓いと共に、幸せな記憶として俺の心に刻まれたから。
常に前を見て、未来に向かって歩いている俺達。
長い道のりを、過去に縛られて生きるのはごめんだが、たまには立ち止まって、過去を振り返ってみるのも悪くない。
消し去りたい過去でさえ、自分次第で塗り替えることが出来るとお前が教えてくれたから。
この先、何年、何十年という時間も、おまえがいてくれるならそれだけで楽しみで仕方ない
共に年を重ね、いつかもう一度あの場所に立ち、あの時のkissをもう一度やり直そう。(今度は素面でな)
その時にはまたお前に、俺と居られて《幸せ》だと言って欲しい。
お前と過ごすこの一瞬一瞬が、俺たちの大切な思い出となり、未来に繋がっていく。
だから オ・ハニ 愛する俺の奥さん。
これからはお前と過ごす時間をもっと大切にするよ。
お前の記憶がすべて幸せなものになるように。
過去も、未来も、現在も、
俺を幸せに出来るのがお前だけであるように、
お前を幸せにしてやれるのも
きっと、俺だけなのだから。
end.
