移住物語4

テーマ:

我那覇さんは車のエンジンをかけた。
少しオンボロのワゴン。
でも、石垣島の太陽に照らされて何だか嬉しそう。
気のせいだろうか。

「どこに行くんですか」僕はたずねた。
彼はいたずらっ子のような顔をして
「内緒です、でもすごくいいところです」と短く答えてくれた。

沖縄独特の作りの家並みが広がる。
台風が凄いので、家はコンクリート等で頑丈に出来ている。
屋根の上にはシーサー。
明るい陽に照らされて誇らしげ。

30分くらい走っただろうか
「そろそろ着きますよ」と我那覇さん。
エメラルドグリーンの海がまた見え始めた。

「JALとかの石垣島のポスター見た事ありますか?」と我那覇さん。
「はい」と僕は答える。
「これから行くところは、その写真によく使われているところです」
「へーえ、凄いですね」
「まあ楽しみにしていてください」

行先は「カビラ湾」。
石垣島を代表する観光地ということだ。

「さあ、付きましたよ」
目の前にエメラルドグリーンの海が広がっている。
そして、すぐ近くに緑に覆われた小さな島。
面白い形をしている。

「わあ、すーごい」娘が声を思わず上げる。
これまで見てきたどの景色とも違う。

「良かったらグラスボートに乗りませんか?」と我那覇さん。
ここら一帯は、サンゴ礁が凄いと。

その景色がグラスボートからだと鮮明に見えるらしい。
「行こうよ」娘と息子。
もちろんOK。

砂浜に泊まっている船を適当に選んで、
家族で乗り込む。
よく日焼けした船頭さんが満面の笑顔で
「ようこそカビラ湾に」と迎えてくれた。
何だか期待出来そう。

船は人があふれ満員。
そしてころあいをみはらかって、出航。

サンゴ礁のポイントに向かって静かに船はすべり出した。
目の前の少し変な形の島に目を奪われていると、
船頭さんが、「この島は、長い長い年月をかけてこの形でなったのですよ。
原因は諸説あります、まあ、難しいこと考えないで楽しんでください」と。
どうもこの船頭さんはラテン系のノリのようだ。
日焼けした顔に白い歯が映える。

10分もしないうちにサンゴ礁のポイントに着いた。
船頭さんが船を止める。

「さあ、着きましたよ。目の前にあるグラス(船の底に付いているガラス窓)を
覗いて見てください」
「わーぁ」息子が奇声を上げた。
娘は見入っている。
妻は静かに見ているが、少し微笑んでいる。
僕も見た。
あまりの凄さに無言。

極彩色のサンゴがびっしりと詰まっている。
見たこともない景色。

青や黄色の熱帯業も泳いでいる。
「あっ、ニモ」娘が大きな声を上げる。

船頭さんは超スローに船を進める。
子供たちは見とれている。
東京で最近彼らのこんな顔を見ただろうか。

船頭さんが「さあ、これからがお楽しみターイム」と陽気に告げる。
何が起こるのだろう。

期待と不安に胸を膨らませながら、次の展開を待つ。
子供たちもわくわく、そわそわした顔をしている。
妻までもだ。

船頭さんが「さあ見てください」と告げる。
船に乗っている人全員がグラスに目をこらす。

「アンパンマンのサンゴ礁ぉ~」と船頭さん。
目をやると確かにアンパンマンのようなサンゴ礁が
海の中でゆれている。

子供たちの喜びはMAX。

 

*今、創作者が、作品を気軽に発表できて、新しい繋がりができる

 

 

場づくりに励んでいます。

「クリエイターが集う場所」というグルっぱです。

お気軽に遊びにいらしてください。

そこから、作品や繋がりの輪が広がることを願っています。

*ご来訪ありがとうございます。

もし、あなたの心の琴線に

1ミリでもふれることがっできたなら

よろしければ「読者なって」いただければ

創作の励みになってすごく嬉しいです。

 


にほんブログ村 ポエムブログ 繊細な詩へ
ぽちっとクリックいただければ
すごく励みになります
にほんブログ村



友だち追加