私は一人残業していた。
というのも、私の仕事が多く、今日では片づけることが難しいため私は一人残ることになった。本社から許可が得たので、瞳たちを先に帰した後、私一人で仕事を片付ける段取りとなった。
当然ながら、みんなから反対の声があったのだが、本社側から許可が出たことを説明することによって、仕方なく返したのだった。

「これで俺一人、仕事に集中できる。まさか、残業の中身が本社とのミーティングだったからなぁ・・・。そのまとめを俺がやることになったし、明日の午前中に本社へメールで送っておけば、何とかなりそうだな」
私は今日で片付けられそうだと感じたが、実際に片づけるとしても、夕食の時間と休憩時間を入れると、未明までかかりそうで、とてもじゃないけど終電に乗り遅れてしまうのは火を見るよりも明らかだ。

私はやむなく、丸の内のオフィスで一晩過ごすことを決め、仮眠室を今夜の宿にしておけば問題なく過ごせると判断したからだ。これならホテル代を節約することができるほか、ホテルからここまでの電車賃まで節約できるのだから、一石二鳥なのだ。

「たー吉、あたしたちは帰る気なんて、毛頭ないわよ」
「仕事、めっちゃ多いでしょ。手伝ってあげる」
なんと、まりなと美紀が私を案じたのか、帰るふりをして残っていたのだ。

「えっ?!まりなと美紀?!何で残ってるのさ!帰ったんじゃないのか?」
私は不思議そうな顔で、二人に尋ねた。すると、
「だって、たー吉一人にさせるわけにはいかないから」
「そうだよ!あたしたちに全部の責任を負わされるし、あなたがお姉さまに怒られるのは明らかなんだからね!」
などと、まりなと美紀が私一人にさせるわけにはいかないと言い放った。

私もやむなく、
「人一人仕事するよりは、一人でもいた方が心強い。手伝ってくれるか?」
と、一人では終わり切れないので美紀とまりなにお願いすると、二人も、
「うんっ!」
と返事してくれた。当然ながらほかの子たちも、いつものマンションからリモートで参加してくれたのは言うまでもなかった。