二日目の撮影も終わったので、私たちはホテルへと戻り食事と反省会を済ませたら自由時間だ。
というのも、私と瞳は必ず行くところがある。
それは、さやっちがバーテンダーとして活躍しているBarでカスタマイズカクテルを飲むことだ。私と瞳はそれが楽しみであり、ロケだろうが社員旅行だろうが、これを飲むとやっと沖縄入りしたんだなと実感するとともに、さやっちのホテルへ”帰ってきた”んだなと、改めて感じるのだ。

さやっちが作るカクテルは美味しく、その過程でも手際のよい動きが魅力だ。
私たちはそれを見て、カクテルが飲める楽しみを倍増してた。
「さぁ、できたさぁ!でも、うちはさんぴん茶で乾杯しようねぇ」
さやっちがこう言うので、私たちも、
「うわぁ、ありがとう!」
「乾杯しようぜ、乾杯!!」
と、三人で改めて乾杯した。

私や瞳からすれば、4月末や5月の連休以来久しぶりの味で、約2か月ぶりの味に感動していた。
さやっちもそんな私たちを見ながら、三人で飲める喜びをかみしめていた。
「俺らが来た時ってさ、ゴールデンウィークの社員旅行だからね」
「うんっ!あたしたちもここでカクテルを飲んでようやく帰ってきたんだなって感じたわ」
「それ、美穂が聞いたらさ地味に怒られちまうよ」
「あっ、そうだったわね・・・ごめん」
と、私と瞳はカクテルを飲みながら話してた。

さやっちもまた、
「たー吉たちが4月のロケに来てた時だったかねぇ。県内で水不足の状態だったわけさ。うちらもナイトプールをあきらめようかって真剣になってたわけさ。でも、まさかの大雨でそれが解消されたし、おかげさまでナイトプールが再開できたわけさ」
と、結果的にはあの大雨は効果てきめんだったことを話した。

「あっ、さやっち!今週の金曜日だけどナイトプールでロケがあるからさ。琴代さんから聞いたと思うけど」
私は今度の金曜日のことについてさやっちに伝えると、さやっちも、
「うんっ!!」
と、一発で首を縦に振った。