夕方

















初日の撮影も無事に終わり、私たちは定宿となるさやっちのホテルへ到着した。
今回の部屋も、前回のロケと同じであり、私からすれば瞳と私が泊まった部屋と同じなのだ。
「ようやく着いたね。俺からすればゴールデンウィーク以来だけどね」
ベル・ガールたちの案内の後、私はホテルから見る景色を一望しながら言うと、悠梨は、
「あたしたちからすれば、4月のロケ以来だもん」
と言い放った。

「う~っ、さっさとシャワーでも浴びてくるか!」
私はあまりの暑さに参ったのか、早々とシャワーを浴びようとした。
だが、おふくろも同時に入り込んでは、
「あたしだっておめえと同じだよ!シャワーでも浴びて汗を流そうぜ」
と、あまりの暑さに参ったようで、さっさと汗を流そうぜと言い放った。

「もぅ!二人とも暑さに参ってさ!!あたしも暑さに参ってんだよ!!!」
と、悠梨もシャワーに入り、ロケ初日の疲れを流した。

「俺らが沖縄入りしたのってさ、ゴールデンウィーク前だったじゃん。水事情が最悪だったってのは知ってるけど、まさか回復してたなんてな・・・」
「このホテルの人間から聞いたんだけど、あたしたちがいない間に大雨が降ったんだってよ」
「まさか、さやっちやフロントから聞いたのか?」
「ううん。あたしたちを案内しやがったベル・ガールだよ。すごくかわいくてさ、あたしたちがいない間、どうやって水事情が回復したのかってのを話してくれたんだよ」
「そういえばそうだな。俺もそれを聞いたんだよ。まさかなぁ、ってびっくりしたんだけどね」
「お前も悠梨も、それをしっかり聞いてたってわけだ」
「確かにね。あたしたちがいる沖縄なんて四方を海に囲まれてるんだもん。海に囲まれてるってことは、南房総と同じってことだよ」
「北はしっかりと、関東平野になってるけどな」
と、私たちは撮影初日の汗を流した後、クーラーの効いた部屋で30分程度休んでからみんながいる洋食レストランで食事と反省会をした。