午後

















今夜からロケの前乗りのため、私たちはいつものマンションを出ることにした。私はその最終準備をしていると、智恵と千鶴がそばに来て、
「たー吉、今夜から出かけるのね・・・」
「超さみしいんだけど!」
と、寂しくなることを話した。

私はその言葉はこれからロケに行くことを実感することができる一言として認識しているので、もう慣れっこだと言いたげそうな顔で、
「大丈夫だよ!スカイプってのがあるんだし、朝と夕方に会えるからさ」
と、朝礼と終礼を楽しみにしてろと答えた。

「毎度おなじみの、朝礼と終礼だけかぁ・・・」
「たまにはさぁ、あたしたちとスカイプでプライベートタイムを作ろうよ!みんなもそう望んでるんだから」
智恵と千鶴が妙案を出してきたのだが、私はというと、
「気持ちはわかるけどさ、じゃ、どこでやるのさ!ロビーじゃほかのお客さんに迷惑かかるわけだし、レストランエリアじゃ、長居無用になっちまうからさ」
と、どこでやるのか、レストランなどでやったら迷惑になると反対した。

「だったら、あたしと美紀の部屋に来ればいいのよ!」
リナが横から入ってきたので、千鶴も、
「えっ!?マジですか?」
と自分たちの言い分が通るんじゃないかと、ひそかな期待をしていた。
えり奈やみゆきも、
「うわぁ、実質的な家飲みですね」
「土曜日も超楽しみですね」
というので、瞳も来て、
「えっ、家飲みを実質的にやんのかよ!?勘弁してよぉ」
と困惑気味だったが、それは私も同じだった。