「おっ、今日は結構積もってんじゃん」
私は雪に包まれたいつものマンションの周りを眺めながら言うと、瞳も、
「ほんとだ!まさに雪の妖精さんね!」
と、雪の妖精さんたちが降らせてくれた奇跡の朝を迎えたんだと実感していた。

「俺らって関東の南側に住んでるじゃん。だから、雪が降り積もってるのを見て感激したがるんだよ」
「あたしたちからすれば、南部と北部の差が出てきてるのね」
「うんっ。だから俺らは冬が好きなんだよな」
私と瞳は冬が好きだということを話すと、まゆきもそばに来ては、
「え~っ、あたしたちからすれば迷惑極まりないんですけど・・・」
と、冬が苦手だということを話した。

「そういえば、昨日話してたよな。まりなたちは夏が好きだって」
「ほんと!昨日、まりなたちが力説してたわ」
まゆきたちが夏が好きだという理由を、昨日力説していたことを思い出したのは私たちだ。
私たちの部署の女の子たちは、有莉巳と瞳を除いて冬が嫌いで、逆に夏が大好きなのだ。その理由は、みんなでビキニ姿になれるから、という理由だが、実際は5月の社員旅行で穿く程度なのだ。なので、それ以外は撮影の練習で身にまとう程度なのだから、実はあまり意味がなかったりもする。

「そういえば、うちらの部署の女の子たちって、ほとんどが夏が好きだもんな」
「ほんと。冬の素晴らしさもわかってくれるといいのにね」
私たちがこう話すと、まりなも、
「たー吉に瞳先輩、私たちは寒さってのがすごく苦手なんです!だから、昨日話したけど美穂先輩の故郷・沖縄がうらやましいんです」
と、昨日話したことを思い出しながら言うと、瞳も、
「さやっちから聞いたけど、この時期は桜が咲いてるってね」
と、一足先に春の陽気に包まれてる沖縄が故郷の美穂のことを話したのかといった。