午後


















私たちも何とか飛行機に乗ることができ、東京へ向かっている途中なのだ。
一時はどうなるかと思ったが、チケットも生きているし、無事に飛行機に乗れただけでも良かったのだ。さやっちとは来月、再びお会いすることになるがその時はグラビア撮影という形での訪問となる。部屋のほうについては琴代さんがすでに確保しているが、具体的な期間については追々話すことになる。

「来月、グラビアの撮影があるってことを知ってる?」
私がサンドウィッチを食べながら言うと、おふくろも、
「うんっ。去年のロケの時言ったじゃん。琴代ちゃんによると、今度の相手は20歳代前半で、なかなかのバディだって。ただし、瞳に匹敵する爆乳だけどな」
と、今度の相手のことまでも私に教える始末だった。

「その時には沖縄も、一足早い春の空の下になってるかもよ」
「そうだね。俺らも何度かこの時期に来てるけどさ、それと俺らが住んでる千葉の季節差を感じるんだ」
「あたしたちのところは、まだ冬だからさ。あたしたちのところは雪が降ってるかもしれないし、沖縄なんてそれが無縁だけどさ。ただし、風は強いけどな」
「ほとんど海に囲まれてるのは千葉、完全に海に囲まれてるのは沖縄、つまり、共通点は7割近く海に囲まれてるって点は共通してる、ことだろ。海風が原因でさ」
「どのみち、一足先に満喫できる春の空の下で撮影できるんだからさ。あとは、天気がいい方向にもっていくことだけを祈るしかないね」
「今回の年末年始の旅行といい、去年最後のロケといい、天気には終始恵まれたからさ。俺もそれを願うしかないよ」
「あたしも!」
私とおふくろ、悠梨はサンドウィッチを食べながら、来月のことについて話し始めた。

「たー吉と悠梨に見せておくけど、今度の撮影相手だよ。クライアントから資料として送られてきたけど、いつもはミーティングの時に見せるけど、今回は先方の好意でお前らだけに特別に見せるって、あたしのスマホに簡単な資料が送られてきたんだ」
おふくろは、クライアントから送られた資料を私と悠梨に見せた。

私と悠梨は、その画像を見ながら、
「うわぁ、瞳に匹敵するおっぱいだなぁ」
「悔しいけど、あたしよりめっちゃ大きいじゃん。でも、なかなか素敵な子ね」
と話すと、おふくろも、
「日程とかは、改めてミーティングで話すことになるけど、約2週間を見込んでるってことだよ。クライアントの意向でさ」
と、今度の撮影は二週間近くかかることを伝えた。どうやら、この日程だとDVDや写真集、雑誌グラビアなど私たちにとってやることが多いのは相変わらずのようだ。