なぜこの世には残酷なまでに、
人の命をなんとも思わない悪が存在するのか。
わたしにとって長年の疑問であり、
目を背けようにも背けることができず、
解決しようにも解決なんてできっこないものだと思っています。
悪はそもそもどこから涌いてきたのか、なんのためか、
発端はどこなのか、明確な答えが出ずともおぼろげながらも見えることで、
未来の希望を見出せると思ってきました。
前号、前々号で紹介してきた、
小笠原孝次著 和器出版
「神道から観たヘブライ研究三部書」によると、
悪の原因である部分が表現されています。
【以下引用】
エホバはシナルの地に築かれた都市国家を破壊し、言語を乱して、
相通じることなからしめ、民を地に逸散させてバベルの混乱を生ぜしめた。
その部下のガブリエル、ラファエル、ミカエル、ウリウルと共に、
五大天使の一人であるルシファーを悪魔(サタン、メフィストフェレス)として、
地に降ろして、人間を背後からそそのかして罪を行わしめた。
【引用終わり】
ここから分かることは、悪が存在する根本はエホバとなります。
エホバ(ユダヤ族)は前号で書いた通り、人類発展、第三文明成就に極めて重要な、
科学文明を発展させるために神から命を受けた、「選民民族」なのです。
そしてさらに深堀すると、エホバ(ユダヤ族)は、
須佐之男命(スサノオノミコト)の現れだというのです。
ご存じの方もいると思いますが、須佐之男命は、
古事記に出てくる言霊百神(げんれいひゃくしん)の一番最後の神です。
また、天照大御神、月読命、須佐之男命の姉弟三神は、
三貴子(みはしらのうずみこ)と呼ばれる大変重要な神々で、
高度な精神文明と成熟した科学文明が統合した第三文明の成就には、
なくてはならないのです。
しかし、上述のとおり、悪の根源は須佐之男命なのです。
もともとは善なる神で、高天原の組織の一員だったのが、
唯一抜け出して、荒ぶる神となり、エホバに悪の限りをさせたのか。
須佐之男命(=エホバ)が悪の権化、魔神になったのは、
母である伊邪那美神(いざなみのみこと)を慕い、
母がいってしまった黄泉の国、醜女(しこめの)国へ赴き、
地獄のような世界を見たのが原因なのでしょうか。
これを機に魔神になったのか。
一説には、悪をとことん体現し、人と神を分断させることによって、
生存競争を生み出し、弱肉強食の世界を作り上げることによって、
結果的には物質(科学)文明は発達した。
ということは、行きつくところまで科学文明を発展させ、
それによって第三文明の成就をも早めようとした、
神の意志がそこにはあるのか?
だとしたら、とてつもなく壮大な神の計画であり、
忌まわしい悪も必要悪だといって飲みこまなければならないのか。
複雑な心境ではあります。
しかし、
高天原の世界(天界)ではすでに決着がついていると言う方もいます。
その決着とは、
わたしの想像では、かつての高度な精神文明世界の女神である、
天照大御神がいよいよ現れて(天戸開き)、
弟である須佐之男命を抱きかかえ、労をねぎらう。
使命を終えた須佐之男命は元の姿(善神)に戻り高天原に帰還する。
そして、善と悪が統合されて道が切り開ける。
そんなことがすでに天界では起きていて、
地上界に現れるのまでのタイムラグが、
まさに現在の状況のような気がしてなりません。
もともと善の神である須佐之男命が天津日嗣の命を受け、
あえて悪を演じたのか、なりきったのか、もしそうであれば、
それは必要な悪だったのか、そう考えると複雑な心境ですが、
もともとは同一のところから産まれているのですね。
世界が良くなるのは時間の問題かと思います。
未来はとてつもなく明るい!