芥川龍之介・作「地獄変」第20章を

YouTubeにアップロードしました。

 

 

「地獄変」第20章のあらすじ

 

 

大殿様が良秀の娘を焼き殺した事件は

 誰からともなく世に流れました。

 

 良秀はそれからひと月ほどで 

地獄変の屏風を描き上げました。

 

 屏風は見るものを厳かな気持ちにさせ、

 御邸で良秀を悪く言うものはなくなりましたが、

 もう良秀はこの世にいませんでした。

 

 一人娘を先立てたせた良秀は、

 屏風を献上した翌日に首を吊って死んだのです。

 

《20章のポイント》

 

最終章は

 

後日談です。

淡々と読み進めました。

 

全編を通じて

私が好きな文章が

最後の文章です。

 

屏風の出来上つた次の夜に、

自分の部屋のへ縄をかけて、

れ死んだのでございます。

一人娘を先立てたあの男は、

恐らく安閑として生きながらへるのに

堪へなかつたのでございませう。

屍骸は今でもあの男の家の跡に埋まつて居ります。

尤も小さなの石は、

その後何十年かの雨風されて、

とうの昔誰の墓とも知れないやうに、

苔蒸してゐるにちがひございません。

 

太字の

屍骸は今でもあの男の家の跡に埋まつて居ります。

からは時間軸は「現在」になります。

 

良秀の苔蒸した墓というのは

未来の予測なんでしょうか?

それとも、事件から何十年か経過して

語り手がいる現在なのか?

 

どっちなのかな??

とは思いますが、

苔蒸した良秀の墓は語り手は見てはいないようです。

 

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少し前に

TVで漫画家の故・水木しげるさんの

娘さんがしげるさんの戦友を探し歩く

という番組を見ました。

 

その戦友の方は亡くなっていて

お墓は「苔蒸して」いたんです。

戦友の方は若くして亡くなったので

一族のお墓の敷地内にお墓はあるものの

直系の遺族の方がいないのでお世話されてなくて・・・

お墓が「苔蒸す」というもの悲しさを感じました。

その番組を

20章を読む前に見れば

もっとイメージを膨らませることができたかもしれません。

 

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なにはともあれ、

4ヶ月半かかった大作もこれで完結。

 

お疲れ様でした完了

(と、自分にニコニコ

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カバー画像は

センペンバンカ様より購入した

「日本の名画」シリーズより

 

河鍋暁斎_九尾の狐図屏風 から