6/10(月)


「青い鳥」「素晴らしきかな人生」を続けてみた後、DVDで小原宏裕『トロピカル・ミステリー 青春共和国』観る。小原宏裕はロマンポルノの中でもたまに忘れ難い女性像を提出してくれる作家なので、その彼が成美さんの映画デビュー作を撮っているという事実に否が応でも期待してしまったのだけれど…。早々と期待は雲散霧消したので、あとは成美さんが水着姿になったり、宍戸錠と対決したり健気に頑張ってる姿を応援する。何かもう保護者みたいな気分。

この辺りから、既に成美さんと映画というメディアとの間にはミスマッチングが生まれていると思う。薬師丸ひろ子には『セーラー服と機関銃』が、原田知世には『時をかける少女』があったのに、わずか数年遅れた安田成美さんにその才能と魅力に見合う特権的なイメージを与えられる力を既に日本映画は持っていなかったのだと思う。