5/25(土)

 

この一週間、早朝に起きて北川悦吏子脚本「愛していると言ってくれ」を毎日二話ずつくらい見ながら出勤する。最初こそつい一緒に『性風俗ドキュメント2 ザ・快楽』とか『女刑務所 ザ・私刑』とかを見て帳尻をあわしていたのだが(?)、途中から「このドラマに感動している自分から逃げちゃダメだ」と思い、これだけ見る。

豊川悦司の手話、表情、あらゆる所作の圧倒的美しさを前にすると、当事者キャスティングに代表される現代的な正しさは、果たして本当に至上のものなのだろうか、とつい思ってしまう。「聾唖を題材にした美男美女のラブストーリー」(主題歌はドリカム)というコンセプト自体が通俗的でバカげている、と嗤うことは簡単だ(僕もそうだった)。しかし、このドラマのトヨエツのセクシーさに心ときめいて涙する人の中の何割かは、確実に現実のハンディキャップ問題に目を向けるだろうし、その人にとって世界はより広く豊かになっているのだと思う。そんなフィクションの持つ艶やかな力を信じられないようなら、映像作品なんて作られなくていい。このドラマは、それを本気で信じている人たちの作品だ。

それにしても、トヨエツは凄い。なんだこの圧倒的な人間力は。

 

最近買った「an・an」95年の「モテる女・モテない女」特集号。モテる女代表としてインタビューを受ける安田成美さん(無駄な謙遜など一切ない、その言葉も真摯で素敵だが)に豊川悦司が捧げたポエムも(少し変態っぽいところも含めて)本当に素晴らしかった。最近 これを諳んじられるようになりたくて、通勤中も、仕事中も心の中で唱えている。