2/23(金)

 

昨日の夕食後、酒飲んで気を失っていて4時頃起きる。K-プラスで借りていたVHSで大好きな『パンツの穴 きらきら星みつけた!』観る。ポレポレ東中野の鎮西さんの特集以来だから、軽く14年ぶりくらいか。映画の内容より、過ぎ去っていった時間の儚さに泣けた。

 

取り組んでいた仕事がひと段落し、また酒に溺れて気を失う。とにかく、気を失うくらい飲んで辛うじて正気を保っている。とりあえず、このまま死んでしまうとコスパ最悪なので、生きるしかない。

 

2/24(土)

 

日付が変わる頃に目覚める。Kープラスで借りたVHSで植岡喜晴『夢で逢いましょう』観る。アテネののスクリーンでリマスター版を観られた方が良かったに決まっているが、8mmの画質はVHSのクオリティと親和性が高く、これはこれで今の僕のやさぐれた心に静かに寄り添ってくれるような煌めきに涙が出てきた。まさに夢のように荒唐無稽、なのに重層的な物語を淀みなく語る手際には、自主映画らしい甘えが一切ない。VHS版は15分ほどカットされている。是非スクリーンで観たい。2024年に出会った最良の映画は植岡監督作品だと、現時点で言い切ってしまいたい。

 

少し寝て、午前中上田へ。上田映劇で市川崑『黒い十人の女』35mm上映。プリントは90年代の小西さんプレゼンツのリバイバル上映の時のものか。正直昔も今もそんなに話自体が好きということはないのだが、とにかくこれはたぶん世界最高峰だった61年当時の大映の撮影・照明技術の粋を堪能する映画で、すげえはすげえはと言っているうちに終わる。フィルムで観られて本当に良かった。でもやっぱり、本当はそんなに好きな映画じゃないのかも。

でも、故信藤三雄さんがアートディレクションした97年リバイバル時のパンフはホント最高。もったいなくてほとんど読んでません。

 

バリューブックスへ。「異人伝」「たまらん人々」「あの娘は石ころ」「ビジネス・ナンセンス事典」他、中島らもの本がまとめて手に入ってほくほく。

 

その後、上田映劇に戻ってソフィア・コッポラ『SOMEWHERE』。35mm上映だから観に来たのに、結局BD上映で、どうしてくれようかという気になる。ポールダンスをする姉ちゃんをだらだら撮ってるところで興奮しているうちに(さっきコンビニでビールとお好み焼き食べてしまったのもあって)気を失う。面白くはない。が、面白くはないなりにいままで回避していたソフィア・コッポラの持ち味がわかる気がした。わかる気はしたが、まあたぶん一生好きな監督になることはないだろうな、とも思う。これが『羅生門』や『HANA-BI』と同じヴェネチア大賞って、どうしても違和感が。僕は基本的に大島渚イズムを映画の基本と考えているので、話題作を作ろうとか、賞を狙おうとするヤマッけがある監督の方がよっぽど健全だと思っている。ボンボンのたわごとが、どれほど心地よく響いてもそれは単なるボンボンのたわごとだ。

どっちを支持するかっつったら、あの年になっても一発当てようとしている親父の方に決まってるだろう!全財産を賭けた新作が『地獄の黙示録』並の狂った失敗作でありますように。