2/19(月)


仕事前にU-NEXTで石黒賢治『無力の王』という奇妙な映画を観る。女が街を漂流する前半の現実音の繊細な使い方、プールで出会った男女が葬式でデートするひねりの効いた展開など、80年という時代の新しい日本の青春映画の形を提示してるようでなかなか引き込まれたのだけど、女といい感じになってた男が唐突に路上で女を犯そうとする理解に苦しむ展開の後、根津甚八演じるヤンキーたちの酒盛りをダラダラ写す終盤に至って完璧に映画は方向性を見失ってしまう。事故死した根津甚八が救急車で連れて行かれるラストシーンの長回しなど、どことなく後のタルコフスキー『サクリファイス』を彷彿とさせるような冴えを見せていたりするだけになんとも惜しい。


2/20(火)


K-プラスで借りたVHSでイヴが初主演したアダルトビデオ『感度イヴ』観る。アダルトビデオ、というよりアダルトイメージビデオで、バブリーな内装のホテルでイヴがスケスケの下着姿で踊ったり、よくわかんない黒人と踊ったり、ストラップショーの中継映像が入ったりするスカスカな60分で、イヴのファン以外には全然勧められない内容だが、ラストにうつるファンクラブ募集の文面には泣けた。



みんなイヴとサーフィンしたりドライヴしたり、わーわーきゃーきゃーさぞ楽しい青春を送っていたのだろう。当時のファンクラブの会報が残っていたら是非手に入れたいものだ。というか、このファンクラブはいつまで続いていたのか。珠瑠美監督の気の狂った美熟女系ピンクの頃以降まで続いてたらいいなー。


2/21(水)


休み時間に中島らも『ロバに耳うち』読む。


2/22(木)


休み時間に中島らも『イッツ・オンリー・ア・トークショー』読む。


久しぶりに猛烈な一目惚れをする。まだ自分にこういう気持ちがあることに少しホッとする。一目惚れはそれが到底叶わない相手の時に限っては楽しい。

少しでも希望がある、と勘違いしたら地獄の始まり。