2/24(水)


上田映劇で『彼方のうた』をもう一回観ようと思い早朝から自転車を飛ばして駅に向かってたら疲れすぎてへばってしまい、路上に吐いてしまう。電車を逃して見れず…。自転車の車輪の空気が少なかったようだ。

仕方なくダラダラ駅に向かう。ブックオフ小諸店で稲垣高広「藤子不二雄Aファンはここにいる」を800円くらいで買う。

15時まで時間潰してTOHOシネマズ上田で山崎貴『ゴジラ−1.0』観る。怪獣映画は大好きだったけど、「怪獣を人類(日本人)がみんなで力を合わせて何とかする」みたいな話に本当に昔から興味が持てず、本作だって別にスルーしたってよかったのだが、これだけ世評高いなら、たぶん良いのだろうと思って観る。

何でゴジラが人間にまた負けるんだよ!ふざけんな!

そんなにゴジラが好きなら、一度くらいゴジラに勝たせてあげればいいじゃん!

その根本的な欠点は、もうしょうがないから諦めるとしても(僕の幼少期の夢は正に「ゴジラが人類に勝つ映画を作る」だったから)話題になっていた人間ドラマパートは「これを手放しで褒めるアメリカ人ってやっぱ病んでるわ…」と悲しくなるくらいにチープ、かつ驚くほど反動的である。百田尚樹原作作品を手掛けていた山崎貴が、本作で軌道修正した、みたいな感想も見かけていただけに、このあまりに屈託のない戦う男たちへの賛美には、なんて浅薄なんだと呆れるばかり。過酷な戦争体験者だった初代『ゴジラ』の本多猪四郎監督や、『ハワイ・マレー沖海戦』のような国策映画に参加してしまった反省から戦後の活動をスタートさせた円谷英二といった映画人たちの意思が(ていよく意匠だけ真似て)踏みにじられているように感じた。

こんな映画がこの年1番ヒットしかつ絶賛された映画なんて…こんな国に誇りなんかもてるもんかっての。

こんなに悲しい気持ちになるなら、もう新しいゴジラ映画は観なくていいかな…。大好きな『三大怪獣地球最大の決戦』や『ゴジラ対ヘドラ』を繰り返し観た方が絶対に豊かだから。


2/25(木)


二週間ほどかかってユーネクストで山下敦弘「コタキ兄弟と四苦八苦」を完走する。2010年代にテレ東の深夜ドラマ枠で展開されていた山下さんによる実験的なドラマシリーズはどれも夢中で見ていたのだが、コロナ禍直前の2020年初めのこのシリーズは何故か存在も知らなかったけど、すごい面白かった…。今更だけど、今までCMで見かける可愛らしい女優さん以上の認識を持っていなかった芳根京子さんの素晴らしさに気づいた。山下さんと彼女と、脚本の野木亜紀子さんとの3人の座組が『カラオケ行こ!』に結実したことにも今となっては感慨を覚える。山下さんによるこの枠での最高の達成だろう。