「名ばかりCTO」が、日本の製造業の首を絞めている。
それが今、この国の技術経営のリアルだ。

技術と経営をつなぐ“架け橋”であるはずのCTOが、現場ではただの飾り。
経営会議では発言しても、戦略には口を出さず、コミットもせず。
かつて設計部門を束ねていた人物が「名誉職」の延長線で就任し、
会社の未来を左右する技術判断に関与しない。
──そんなCTOが日本企業にはゴロゴロいる。

これはもはや、企業の“構造的怠慢”だ。

 


経営と技術が分断された日本

「選択と集中」が叫ばれて久しいが、何を選び、どこに集中するかを、
技術の視点で決められない企業に未来はない。

ホンダの本田宗一郎。ソニーの井深大と盛田昭夫。
彼らはエンジンや電子技術を自ら手で磨き、
経営の意思決定にその技術を反映させた。

一方、いまの製造業の多くは「技術が分かる経営者」も「経営が分かる技術者」もいない。
CTOは“研究開発の看板”でしかなく、
経営に技術を組み込むための司令塔にはなっていない。


世界は“技術起点”で動いている

Boschはどうか? CTOが開発・製造・事業の全領域を統括し、
次世代モビリティの中核戦略を主導している。

Huaweiはどうか? 製品ごとの技術選定だけでなく、
AIやSoCといった共通技術を横串で通し、
技術ベースの経営判断で複数事業を統合している。

Airbusに至っては、防衛・宇宙・民間航空を跨ぎ、
共通の技術基盤をCTOが握り、重複投資を徹底的に排除。
技術を経営効率に直結させている。

これが世界の常識だ。


日本企業よ、「名ばかりCTO」は今すぐクビにしろ

技術がわからないCTOは害悪だ。
現場と経営を分断し、未来の成長領域を見誤らせる。

今こそCTOを再定義せよ。

  • CTOは“最新技術の翻訳者”であれ
    生成AI、エッジコンピューティング、デジタルツイン…。
    それらを理解し、経営に応用する道筋を描けなければ退場すべきだ。

  • CTOは“戦略司令塔”であれ
    CEOと二人三脚で「何を捨て、何に集中するか」を技術起点で決断せよ。

  • CTOは“全社技術ポートフォリオの最適化責任者”であれ
    縦割り組織を打破し、全社の技術資産を横断的に整理・活用せよ。


結論:「CTOを変えられない会社は、未来も変えられない」

もはやCTOは、研究開発部門の“顔”ではない。
経営そのものの中核だ。そこに本物を据えられない企業に、
未来を創る資格はない。

変われ、日本の製造業。
「名ばかりCTO」は、もういらない。

 

 

---------------------------------

詳しくは↓↓↓↓↓↓↓↓

製造業2040 -変化の渦中で進むべき日本の針路-

日本の製造業で進む”リストラ・構造改革”という名の急速な事業縮小

世界の情勢から見た日本の製造業が抱える本質課題と取るべき打ち手を詳説

2030/2040年に向けて日本の製造業が今覚悟を持って変えないといけないこととは?

過去の成功体験、つまらないプライド、忖度にこだわっていたら日本は終わります。
製造業の経営陣・管理職・従業員、そして全てのステークホルダーに読んで欲しい一冊。